はじめに

数年内に100出店が目標

11月には2号店も首都圏有数規模のSCに出すといいます。まずは有力SC10店舗に出店し、ワークマンショップと同レベルの採算性のメドがつき次第、数年内に100店舗程度に増やすそうです。

ワークマンの店舗形態はFCを基本としています。直営だけど業務委託という形でFCオーナー候補者を育て、採算のメドが立った時点でFCとして独立してもらう方式をとっています。この100店舗という目標もFCを前提にしているようです。

問題は賃料の高さでしょう。ワークマンショップは交通の便の悪い場所にありますが、好立地の大型ショッピングセンターは当然、賃料もケタ違いに高くなります。これから出店していく10店舗で、高い賃料を負担しても利益が出るノウハウを模索してくことになるはずです。

4~6月期に続き、7~9月期も順調

ワークマンプラスの華々しい目標とは裏腹に、ワークマンの2019年3月期の業績予想は極めて慎重です。この会社の業績予想は常に慎重で、投資家は会社予想からどのくらい上ブレして着地するかを見ています。

8月7日に公表された第1四半期(4~6月期)の実績は、会社予想を大きく上回る進捗といえるものでした。今期の通期予想はグループ全店売上高で前期比3.4%増ですが、第1四半期の実績は前年同期比8.6%増。営業利益率は18.6%の通期予想ですが、第1四半期の実績は20.2%でした。

この会社は月次売上高の実績も発表しているので、株価は主に月次実績に反応します。

例年以上の酷暑と台風で日本全体の消費が落ち込んだ8月は、はたしてどうだったのかが注目を集めました。しかし、フタを開けてみれば、既存店売上高は前年同月比6.9%増で、全店では同8.6%増という好成績でした。

7月が既存店16.1%増、全店18.1%増と、大きく貯金ができています。9月次第とはいえ、第2四半期(7~9月期)はかなりの好成績が期待できそうです。

株価は過去最高を更新

このため、8月の月次公表翌日の9月4日からワークマンの株価は急騰。9月7日終値ベースで6,390円に達し、PER(株価収益率)は31.72倍、PBR(株価純資産倍率)は4.4倍という高水準です。

上場来の最高値は2015年7月に記録した4,455円(2016年3月実施の分割考慮後)でしたが、これを更新したのが今年1月。3月末時点の4,945円からは3割もの上昇です。

こうした株式市場の高い期待に応えることができるか否かは、ワークマンプラスの成否が大きく影響してきそう。言うまでもなく、一般の人はプロユーザーとは消費サイクルがまったく違います。物持ちが良く、消費サイクルが長いという日本人の購買行動と高い賃料。これを克服できるかどうかが勝負の分かれ目でしょう。

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