はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はマネーフォワードから生まれたお金の相談窓口『mirai talk』のFPがお答えします。

貯金をしようとしているにもかかわらず、出費がかさみ、カードローン等の借金ばかり増加しています。現在の借金は一日も早く返済し、子どもの教育費や自分達の老後のために貯金をしていくにはどうすれば良いですか。


〈相談者プロフィール〉
・男性、43歳、既婚(妻:42歳・会社員)、子ども2人(17歳・13歳)
・職業:会社員
・手取り月収:60万円
 夫:30万円
 妻:30万円
・手取り年間ボーナス:250万円
 夫:150万円
 妻:100万円
・預貯金:100万円
・カードローン・クレジット残高:150万円
※資産運用は特にしていない


【家計の内訳(66万円)】
・住宅費:13万円(持ち家、ローン残期間18年)
・保険:4.5万円
・教育費:2万円+年間で160万円程
・通信費:4万円(携帯×4、自宅回線など)
・自動車:4万円(ガソリン、ETC、保険代など)
・食費:10万円(外食、お水代含む)
・水道光熱費:2万円
・日用品:2万円
・趣味・娯楽費:2万円(週末の外出や帰省費)
・衣服・美容費:3万円
・健康・医療費:3.5万円(ジムやヨガ代) 
・交通費:3万円
・お小遣い:夫3万円、妻3万円
・その他:1万円
・借入返済分:4万円
・その他不明金:2万円


【保険の内訳(月4.5万円)】
・夫:がん・医療保障1万円、貯蓄性のある死亡保障1.5万円
・妻:がん・医療保障1万円
・子ども:学資保険1万円(0.5万円/月×2)


FP: ご相談ありがとうございます。miraitalkファイナンシャルプランナーの大石です。貯蓄をしていきたいということですね。お子さんの進学も近づいてきているので、急いで家計を立て直し、貯蓄を増やしていきたいところです。

支出は記録した後に振り返ることが大切

家計簿はきちんとつけられているようですが、それぞれの金額を振り返ることはできているでしょうか。

ざっと拝見していると、全体的に支出が多めのメタボ家計であることが分かります。その改善をするには、支出を必要なものと、そうでないものに仕分けし、必要度が低い支出を見直していくことが大切です。そのためには、何にいくら使っているのか支出についてきちんと把握することが重要になります。

支出を把握するには、家計簿アプリやノートを使って記録していくことはもちろん、その記録をきちんと振り返り、必要度を吟味していくことが大事です。繰り返し行っていくと、買い物をする時点で、その必要度を考えることができるようになります。そうなれば、支出の仕方は随分と変わってくると思います。

使い勝手はそのまま、契約変更で固定費を見直す

ご相談者さんの家計では、契約を見直すだけで支出を下げられる固定費が多くあります。

まず、通信費です。最近ではおなじみになった改善方法ですが、格安スマホ(格安SIM)を利用することが近道です。通話をかなりされる場合など、使用状況によっては格安スマホが適さない可能性もあるので、使い方を吟味してから決めましょう。

SNSや動画が中心の使い方であれば、格安スマホと自宅のネット回線で十分足りると考えられます。少なくともお子さんの分2台を格安スマホにすれば、1万円以上支出が抑えられるでしょうし、さらにご夫婦のどちらか、もしくは両方が変更できれば、もっと支出が削減できるでしょう。

また、生命保険は支払金額から見て、かけすぎな状況かもしれません。一度、中立な立場で保険内容を確認できるファイナンシャルプランナーなどの話を聞きに行くのもよいと思います。現状に合った、今必要な保障内容に契約を見直すことをおすすめします。

そのほか、ジムやヨガなど、ご自身にかける費用も多くなっていますね。きちんと通えていないようなら、ムダな固定費になりますので、やめることを検討してもよいでしょう。固定化した支出の中で必要ない支出は、どんどんカットしましょう。使い勝手は変えずに、契約を変更するだけで金額を安くできる方法を積極的に取り入れていくべきです。

借金の利息は浪費、早急に返済を

支出をカットしていけると、お金にゆとりができてくるはずです。そのお金は使わず、借金返済に充てるようにしましょう。毎月赤字であったものが黒字化すると、ボーナスもあまり減らなくなるはずです。そうして、カードローンやキャッシングを早期に返済していきましょう。

住宅ローンをはじめとした計画的な借金は、利息を払ってでも借りる価値があるかもしれませんが、無計画にだらだら借りている借金の利息は浪費です。こうした借り入れ金利は法定金利の上限いっぱいの15%近くになっていることが多いですから、1万円を1万1,500円で買っているのと同じような状況です。はっきりした目的と計画がない限り、借り入れはNGといっても過言ではありません。

さいわい、相談者さんご夫婦は収入も多いですし、ボーナスもしっかりとあるようです。支出の仕方を見直すことで借金は返済でき、返済が終われば、その分を貯蓄していくこともできます。必要に応じて、住宅ローンの繰り上げ返済を検討するのも良いでしょう。支出にメリハリをつけ、必要なところを中心にお金を使っていくことができれば、家計の回復は早いと思います。がんばってください。

mirai talkはマネーフォワードから生まれた公平で安心できるお金の相談窓口です。新宿駅から徒歩約5分。本気で家計を変えたい人のための「貯まる家計養成プログラム」を提供しています。

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