はじめに
最近耳にすることが多くなってきたジェネリック医薬品。「新薬(先発医薬品)」に対して、ジェネリック医薬品のことを「後発医薬品」ともいいます。
一般的に、新しく開発された薬(新薬)には特許が登録されていますが、特許期間が切れた後に他の医薬品メーカーが同じ有効成分・含量で製造・販売する薬のことをジェネリック医薬品といいます。これまで有効性や安全性が実証されてきた新薬と同等と認められた低価格の薬のことなのです。
薬ができるまでには10年以上
新薬として販売するためには、さまざまな試験を繰り返して効果と安全性を確かめる必要がありますね。
新薬ができるまでには病気になる原因の解明、ターゲットとなる細胞受容体に合う化合物の探索に始まり、培養された細胞やラットなどの動物実験、人を対象とした数段階にわたる試験……というような長いプロセスが必要です。このプロセスに要する期間は約10年。そしてようやく厚生労働省に新薬の申請へと進みます。
しかし、申請しても新薬に採用されるのは一握りのみ。承認されて晴れて販売スタートとなるまでにも約4~9年かかるそうです。
これだけ長い年月がかかるとなれば、その開発費用がどれだけ莫大なのか想像できるでしょうか。なんと、数十億円~数百億円もかかるといわれているのです。
ジェネリック医薬品はどうして安いのか
前述のとおり、ジェネリック医薬品は新薬の効果・効能が実証された薬を別のメーカーがリメイクしたもの。
つまり、ジェネリック医薬品を製造する会社は、その薬の開発をするための莫大な研究費用や実験費用、行政への申請手続き費用などを抑えることができます。本来かかるべき費用を抑えられるため、安い価格で販売することが可能になるのです。薬の種類にもよりますが、新薬に比べてジェネリック医薬品は2~7割程度安く販売されています。