はじめに
自然体で挑む“黒船バーガー戦争”
あくまで自然体で事業を進めた結果が、1年半後の2号店オープンだったというウマミバーガー。冒頭でも触れたように、近年は米国発の“黒船バーガー”が相次いで日本に上陸していますが、競争激化が懸念されるハンバーガー市場にあっても自然体を貫く構えです。
「業界として盛り上がっていますが、そのタイミングを狙って日本に紹介したわけではありません」と語る海保代表。本業でアクセサリーなどの輸入販売を手掛けている中で、米国の知人に紹介され、食べてみるとおいしかったので、「それなら」と日本法人を立ち上げたといいます。
「ハンバーガーレストラン」らしく、ナイフとフォークで食べるスタイル
業界の中での立ち位置としては、ステーキ店とハンバーガーショップの中間に位置する「ハンバーガーレストラン」という独自のスタイルを標榜しています。他のハンバーガーチェーンがテイクアウトを前提にしたカウンターでの前払いスタイルですが、ウマミバーガーは客に着席してもらい、注文を受けてから調理して、提供。会計も後払いとなっています。
「“グルメバーガー”というくくりの中でいろいろと言われますが、業界の波に乗れればいい。他社の動向は気にしていません」(海保代表)
出店戦略も独自路線
ようやく2号店のオープンが決まり、気になるのは今後の3店舗目以降の展開です。こちらについても、海保代表は自然体の独自の道を考えているようです。
競合の黒船バーガーは、これまでのところ、ブランドイメージに配慮してか、フードコートへの出店は控えているように見受けられます。しかし、ウマミバーガーは「米国でも出店しているので、ショッピングセンターや百貨店などのフードコートにも展開していきたい」(海保代表)と意欲を示します。
出店計画についても、「米国本社は契約通りに進めてもらいたいが、良い場所でもないのに店を開け、というわけでもない」(同)というスタンス。あくまでも良い立地で、適正な賃料の空きテナントが見つかれば、出店していく方針です。
黒船バーガーでありながら、他社とは違う、自然体の道を歩むウマミバーガー。独自路線を選んだ“うまみ”を享受することができるでしょうか。