読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は横山光昭氏がお答えします。

毎月家計がギリギリで、ボーナスで洋服や必要な学用品などをそろえるので、それもすぐになくなり、まったくお金が貯まりません。きっかけは中学1年の息子のアレルギーです。中学校に上がってすぐ、給食で食べ物アレルギーを起こし、倒れてしまったのです。その後も対象食材を口にすると呼吸器にアレルギー症状が出るため、食材に気を使うようになりました。それに伴い、仕方がなく支出が増えました。同じ頃、夫が異動になり、担当部署が変わったことで仕事関連の持ち出しが増えたことも支出増に影響しています。支出が増えたことが分かっていたので、なんとか節約をと思ってきましたが、なかなか改善しません。支出の仕方の悪い点や、改善方法についてアドバイスをお願いします。


〈相談者プロフィール〉
・女性、45歳、既婚(夫:47歳・会社員)、子ども2人(中3・中1)
・職業:パート
・手取りの世帯月収:56万9,000円
 妻:17万7,000円
 夫:39万2,000円
・手取り年間ボーナス:約60万円


【支出の内訳(57万3,000円)】
・住居費:11万2,000円
・食費:10万6,000円(外食代込み)
・水道光熱費:3万1,000円
・日用品代:2万5,000円
・通信費:2万1,000円(格安スマホ4台+自宅インターネット)
・生命保険料:2万4,000円
・医療費:2,000円(中学生までは医療費無料)
・教育費:3万8,000円
・小遣い:5万8,000円(夫5万円、妻5,000円、長男2,000円 次男1,000円)
・その他生活費:9万6,000円
・仕事関係の支出:6万円
※アレルギー食材を除去した比較的高額なレトルト食品やお菓子を購入したり、成分表示がしてある価格が高めのレストランで外食することが多いです。


横山: ご相談いただきありがとうございます。

お子さんのアレルギーは心配ですし、悪化防止のために神経質になる気持ちもわかります。ですが、お子さんの症状などに便乗して「仕方がない」と増えてしまっている支出はないでしょうか。支出が増えた原因が明らかなので、それに伴った支出増が妥当なのかどうかを精査する必要がありそうです。

黒字家計に多い「固定費:変動費:貯蓄」の黄金比

ご家庭の収入は月57万円ほどもあるのに、毎月わずかながら赤字。かなりの支出をしているように感じます。

無駄な支出の洗い出しのために、支出を「消費」「浪費」「投資」の3つに分ける「家計の3分法」を活用していただこうかと思ったのですが、お子さんがご病気の状況では、消費と投資への配分が高くなりそうですので、少し違う見方をしてみましょう。
 
それは、固定費、変動費、貯蓄のバランスです。私が家計相談を受けてきた中で、黒字家計で貯蓄ができている家計は「固定費:変動費:貯蓄」の割合が「45:35:20」でした。つまり、この割合に照らし合わせてみると、支出の悪い点が見えやすくなるはずです。

私が設定している固定費とは、毎月一定に支出するもので、住居費、通信費、生命保険料、教育費、小遣い、新聞代やNHK代などがあります。ご相談者さんの場合は、お子さんの通院費があればそれも固定費化していると考えて固定費に含めてもいいかもしれませんが、自治体の措置で医療費がかかっていないので、今回は含みません。

変動費は、食費、水道光熱費、日用品代、医療費、交通費、被服費、交際費、嗜好品といった毎月支払額が変動するものを言います。他にも区分けの仕方があると思いますが、私はこのように分けています。

ご相談者さんの家計を調べたところ、比率はおよそ「固定費:変動費:貯蓄=45:55:0」でした。固定費は頑張って節約できていますが、変動費が多い状況です。変動費の費目を中心に見直しをしてみましょう。

4人家族で食費10万、過剰な心配が支出を拡大させる?

変動費が多いということは、アレルギーを理由にして不必要な支出を増やしている可能性があります。少し一緒に見てみましょう。

アレルギー食材を除去した比較的高額なレトルト食品やお菓子などの購入、成分表示がしてある価格が高めのレストランでの外食が多いとのことですが、たしかに食費が高額になっています。ここは価値観にもよる部分ですが、4人家族で10万円を超える食費は「高い」と言わざるを得ません。この状況を貫きたいのであれば、他の支出を下げて調整をすることを考えないと、家計管理はうまくいきません。

日用品代も、アレルギーが理由で高額になっているのではないでしょうか。もしかすると、水道光熱費もそうかもしれません。

日用品代でありがちなのは、アレルギーを気にするがゆえに、家族みんなで比較的高額な低刺激でアレルギー対策が講じられた石鹸、シャンプーなどを使うケースです。必要がない人もそれを使うことで消費が早まり、支出増につながります。また、もしかすると用心しすぎて、それらを使っているというケースもあります。医師にそこまでする必要があるのか、今一度確認し、状況的に可能であれば利用する商品や使い方などを変え、支出削減を考えましょう。また、アレルギーのご家庭は洗濯回数も多くなりがちな傾向があるように思います。水道の使い方も再検討してみてもいいかもしれません。

いろいろ「必要だ」と思われる支出が多いかもしれませんが、改めて見直すと過剰になりすぎている部分が見つかる可能性があります。そうであれば、支出を削減できるチャンスです。アレルギーはたしかに気を使う疾患ですが、必要な支出には優先順位をつけて、出すべきところ、出さないところを決めていかないと支出が多すぎとなり、家計の運営がうまくいかなくなります。

また、通信費はすでに格安スマホに変えているということですが、プランは妥当な内容でしょうか。各人の使い方を確認し、契約プランを見直すと、もう5,000円ほど安くできそうに思えます。

どうしても必要な「仕方がない支出」は固定費に

固定費を削減すると、楽に節約ができ、効果が持続するといわれ、懸命に取り組む人が増えている半面、変動費については何かと理由をつけて「仕方がない」と支出を増やすご家庭を、家計相談の場面ではよく見かけます。

仕方がないという支出はたしかに存在すると思います。ですが、あえてそこが本当に仕方がないのか、実は必要ない支出なのではないかを、時々振り返って考えてみましょう。本当に仕方がない支出だと判断できれば、固定費のように捉えて予算を立てたり、費目を別建てして管理するとうまくいくと思います。

食費や日用品の中に漂流させたままにすると、管理が緩み、余分な支出が増えがちになります。節約をしているはずなのに支出が減らず、どこを節約してよいかわからないという場合は、固定費と変動費のバランスを見て、家計の状況をつかむこともよいと思います。

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