はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。

昨年までは手取り月140万円ありながら、月10万円以上の赤字でした。今年から家計簿アプリを使うようになり、夫婦共通の趣味にかかるお金以外のメタボ費用を大きく削減することができ、ボーナス以外に月25〜30万円を貯金に回せるようになりました。


しかし、今後、子供たち二人を小学校受験させようと考えており、教育費が月30万円程度に膨らむことが想定されます。今のままの家計では、ボーナス以外での貯金はまったくできなくなりそうです。なんとか、もうひと踏ん張りして月々の収入から貯金を捻出したいのですが、どこを削減すればよいでしょうか。やはり、趣味費を削減せざるを得ないでしょうか。家政婦やベビーシッターを週に3回程度雇っておりますが、私は仕事が多忙なため、こちらを削減することは考えておりません。


〈相談者プロフィール〉
・女性、40歳、既婚(夫:会社員)、子供2人(4歳・3歳)
・職業:専門職員
・居住形態:賃貸
・手取りの世帯月収:140万円
 夫:40万円
 妻:100万円
・手取り年間ボーナス:750万円
・総資産:3,100万円


【家計の内訳(110万円)】
・住居費:30万円
・食費:13万円
・趣味・交際費(旅行含):14万円
・教育費:13万円(保育園と習い事)
・水道光熱費:3万円
・医療・健康維持費:4万円(ジム、ヨガ含む)
・通信費:3万円
・日用品代:4万円
・衣服・美容費:4万円
・家政婦・ベビーシッター代:5.5万円
・実家への仕送り:16.5万円


花輪: なぜ、年収が高くても貯められない家庭もあれば、年収が低くても貯められる家庭もあるのでしょうか。

収入が増えるほど支出も増えるという法則

「金は入っただけ出る」というパーキンソンの法則があります。家計支出は収入に応じて増えるばかりでなく、収入を超える傾向があり、ほとんど常にそうなるという考え方です。

共働き夫婦の多くに当てはまるのではないでしょうか。自由なお金が増えれば、それに応じて自由気ままに使ってしまい、収入以上に使い過ぎてしまう傾向があるとも言えます。

収入の増加以上に生活レベルを上げ過ぎないように注意しましょう。利用するスーパー(高級スーパーばかり利用すると食費が高騰します)や洗剤などの生活用品の値段や量などにも気を配ることが大切です。一つ一つはそれほど大きくないと思っていても、積み重なると大きな出費になるからです。

支出は固定費と変動費に分けて考える

現在の支出の中から、固定費と変動費に分けて考えましょう。

固定費とは住居費、教育費、自動車維持費、保険料のこと。また、基本料など半分が固定費になっているような水道光熱費、通信費、定額でかかるサービスなども狭義に固定費に含めて考えてもよいでしょう。家計に占めるこれらの割合が半分近いと、思うように貯金ができなくなります。

相談者の場合は、住居費30万円、教育費(将来)30万円、水道光熱費3万円、医療・健康維持費4万円(ジム、ヨガ含む)、通信費3万円、家政婦・ベビーシッター代5.5万円、実家への仕送り16.5万円なので、固定費だけで92万円と、140万円の手取り月収に対して66%となります。

たとえば、水道光熱費や通信費も平均的な家庭と比べると多いので、それぞれ1万円ずつカットしたいところです。一つ一つは月1万円程度ですが、積み重なると大きくなる無駄をカットしていきましょう。

月1万でも固定費になる場合は慎重に

家計口座は2人の目を光らせて管理をすると無駄遣いを抑制する効果があります。

また、夫婦の趣味や子供の習い事などの新しい固定費が発生する場合は、費用も含めて夫婦でしっかり話し合うようにしましょう。月1万円の月会費だとしても、2つ3つと増えていくと高額になります。

習い事の場でのおつきあい費が発生する場合もあるので、十分に余裕をもたせて予算を組むようにしましょう。

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