はじめに

30代以下の4割が「共働きで子供が欲しい」

学生はほぼ含まれない20代後半から30代の若い男性において、完全な夫婦共働きを期待している人が約4割存在しています。調査年ごとのこの数字の推移を追ってみると、この両立希望男性は激増の一途となっています。次回の国の調査では「再就職」を追い越すのではないか、という勢いです。

しかし、両立コース期待の男性に「ワンオペ育児を押し付けられるのでは?」という恐怖が女性にはあるかもしれません。そこで、日本生産性本部による新入社員男性への意識調査結果も合わせて見てみたいと思います。

この調査において、「子供が生まれた時には育児休暇を取得したい」という項目に「そう思う」と回答した新入社員男性は年々増加。2017年には80%にも達しています。

つまり、若い男性の10人に8人が、育児休業を取得して育児をしたいと考えていることがわかります。親世代とは、女性だけでなく男性の意識も大きく変化していることは事実として知っておいたほうがいいでしょう。

専業主婦希望者は“苦戦”の様相

本来、ライフコースは自由に選択されてよいものです。実現可能性があるのであれば、その道を進んで構いません。ただし、どのコースを希望する場合でも、その実現可能性(発生確率)は理解しておく必要があります。なぜでしょうか。

たとえば、自分の欲しいスマホがあったとして、それがもう販売中止になっていたとしたら、どうでしょう。間違いなく、入手するのは困難です。それを知らずに「このスマホしか無理。他は買わない」という考えを持っているとすれば、スマホで通話することさえできないままになります。

結婚後のライフコース希望も同じことです。今回のデータでは、専業主婦を女性に期待している独身男性の発生(出現)確率は1割あるかないか、でした。

女性の立場から、いくら「家庭であなたに尽くします」「家庭での役割は私にお任せください」と思っていても、ほぼ9割の男性がそれを女性に「期待していない」ようです。むしろ、5人に4人の男性は「僕も育児休業を取得して育児がしたい」とまで回答する時代になりました。

あえて男性好みの女性に無理になろうとする必要はありません。男性がどう期待しようと専業主婦がいい、少ない出現確率に賭けたい、という女性もいるでしょう。それが極めて出会いにくい相手であることへの「覚悟」があればよいのです。

問題となるのは「専業主婦が好きな男性が本当は多いはず」と思い込んで、専業主婦希望を前面に出して、男性に好まれようと迷走してしまうケースです。今回のデータが、そのような事実に基づかない思い込みの罠にはまった“難民”への1つの道標となればと思います。

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