コンビニ弁当といえば、皆さんはどんなイメージを抱いているでしょうか。「若い人向けのガッツリ系メニューが中心」「お腹を満たす目的が主で、健康は二の次」というイメージを持っている人も少なくないと思われます。

しかし、そんなネガティブな印象を変えるかもしれない、ある取り組みが始まっています。「スマートミール」という健康な食事に関する認証制度です。

いったい、どんな取り組みで、今後どのように発展していきそうなのでしょうか。健康食の最前線を取材しました。


コンビニ初のスマートミール

だしごま塩の白飯の“敷布団”の上に横たわるのは、銀鮭の炙り焼。その隣りには、蓮根入りの鶏つくねや、南瓜、がんも、人参などの煮物が添えられています。

この商品は、コンビニ大手のファミリーマートが取り扱っている「炙り焼 鮭幕の内弁当」(税込み850円)。コンビニ業界として初めて、スマートミールの認証を受けた商品だといいます。

開発コンセプトは「おいしく減塩」「野菜たっぷり」。2つの分類があるスマートミールの基準のうち、「しっかり」に適合しています。「売れ行きは好調に推移して、お客様からも喜びの声をいただいています」(ファミマの広報担当者)。

実は今、コンビニのほかにも、外食店や社員食堂、法人向け弁当などで、スマートミール認証食の提供が始まっています。このスマートミールとは、いったいどんな認証制度なのでしょうか。

第三者が健康性を3段階で評価

同制度は、日本栄養改善学会など、複数の学協会から成る「健康な食事・食環境」コンソーシアムが認証するもの。前出の「しっかり」と、もう1つ「ちゃんと」という2つの分類があり、それぞれでエネルギー量や食塩相当量などの基準が設定されています。

細かい基準については割愛しますが、いうなれば、スマートミール認証とは「うちのお店の食事は健康的だ」という販売側の“自画自賛”ではなく、コンソーシアムという“第3者から評価”として安全性・健康性をアピールできる制度なのです。

認証には、有名な「ミシュランガイド」と同様、1つ星から3つ星まで3段階の評価があります。「基準にあった食事の提供」「スマートミールの情報提供」など、6~7の必須項目のみを満たしていれば、1つ星に認定されます。

認証基準には、このほかに「オプション認証基準」と呼ばれるものがあります(外食・給食で17項目、コンビニ弁当のような中食で16項目)。「週3日以上、魚・大豆を提供している」などのオプション項目のうち、5つ以上を満たせば2つ星、10以上を満たせば3つ星に、それぞれ認証されます。

なぜ第三者認証が必要だったのか

これまで国内市場において、食の安全性や健康性については、「当店では国産野菜を使用した料理を提供しています」「栄養価の高いフルーツを使っています」といった具合に、それぞれの販売業者が各自の判断基準に基づいてPRをしてきました。

しかし、本当にPR通りに健康的であるかどうか、消費者からは見えにくい状況でもありました。「国産野菜を使っている」と言われても、提供されるメニューの栄養バランスに偏りが出てしまうこともあるからです。

また、忙しい現代人がお腹を空かせてお店を選ぶ際、「この食事は栄養バランスがとれているか」「塩分過多にはならないか」についていちいち考え、確かめることは現実的ではありませんでした。

一方、供給者側にとっても「市場背景として、健康志向食品の市場拡大、減塩食品の売り上げ伸長、日本人の塩分摂取量の減少傾向が見られていました」(前出のファミマ広報担当者)。そこで今年9月から始まったのが、スマートミール認証制度だったというわけです。

第三者による“健康食のミシュラン制度”がきっかけとなり、コンビニ弁当にも健康ブームの波が押し寄せるでしょうか。高齢化の進展に伴ってわが国の医療保険制度がきしみを上げている中、スマートミールには健康寿命延伸の一助になることが期待されます。

取材協力:小山弥生(栄養士)