子育て

盛り上がっているのは首都圏だけ?知っておきたい中学受験の常識

数字から読み解く中学受験:連載第二回

受験率は上昇している

さて、タカの目さんも書かれているように、ここにきて受験率は上昇しています。受験率として森上教育研究所が統計を取っているのはWeb上に十数年分示していますからご覧ください。

直近の大手の9月模試の受験者数の前年比は3.5%増となりました。これは現在の小6生の前年比が同じくらいの増加率ですから、いわば自然増です。

気になるのは4月時点の5%増が9月になって少し落ちていることです。

ただ小5から小6にかけて近年では受験を諦めるご家庭が若干おられます。中学受験を断念する理由は様々ですが、大手塾は5年生までで一通りの単元学習は終わるため、入試対応に入る6年になった時点で果たして中学受験をするのかどうか改めて考えるのではないでしょうか。

そうした影響がそこに出ているのかもしれませんが、いずれにせよ当初の増勢は少し緩和されました。

しかし、それでも3.5%増ということは、比率だけからいうとタカの目さんが引用している通り「リーマンショック」以前の状況まで持ち直したともいえます。

そこで、このままの状況で入試に突入した場合どうなるかというと、上位校、中堅校では実倍率で約1倍~2倍の上昇になりそうです。つまり、今春3倍のところは4倍~5倍になるということです。

その結果、不合格リスクが高まります。同じ実力だとすると昨年は合格しても今年は不合格になるリスクが全体に高くなっています。

しかし、来年入試は幸い午後算数1科入試を世田谷学園、巣鴨など中堅校が設定したり、桐朋1日目や城北2日目など倍率緩和する学校もあるなど、所々にリスクを回避する受験もできなくはないですから、併願校を少し視野を広げて選択するとよいですね。

今後も受験率の上昇は続く?

ところで、現在小5、小4、小3の皆様は、今後の受験率がどうなるか気になるところですね。一冊本をご紹介しておきます。中原圭介著『日本の国難 2020年からの賃金・雇用・企業』(講談社現代新書)の実質賃金と個人消費の推移(2000年~2017年)を注目されるとよいですね。

そこに示されている実質賃金指数の推移は森上教育研究所の先の中学受験率推移にほぼそのまま重なることが一目瞭然です。

ということは、上記の本に書かれているような今後の実質賃金の動きの示すところは、「受験率は上がらない」ということになります。ただ、人口変動要因はありますから、現在の小2まで人口が高止まりする分、来年入試の倍率は、今後数年はそうそう緩和しないと考えておいた方がよさそうです。だとすると、不合格リスクを下げるためには合格しやすいお気に入りの学校を一つ見つける努力が欠かせません。

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