はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。

固定費を下げて、教育費と老後資金を貯めたいです。2年前に夫が初婚、私が再婚で結婚しました。長男は独立しているので教育費はかかりませんが、長女が高校、大学と進学するにあたり教育費を貯めたいのと、そろそろ老後の生活を見据えて貯蓄をしたいと思っています。


現在、子どもの携帯を含めた通信費が月4.5万円ほど。また、独身時代からお互いに生命保険、個人年金などに加入していたため、保険料が大きな固定費となっています。毎月5万円を積立貯蓄していますが、それ以外の家計の黒字は2万円ほどしか残らないのが現状です。まず何から見直しをたら良いのか教えてください。


〈相談者プロフィール〉
・女性、41歳、既婚(夫:48歳・会社員)、子ども2人(19歳・14歳)
・職業:パート
・居住形態:持ち家(戸建て)
・手取りの世帯月収:45万円
 夫:31万円
 妻:14万円
・毎月の支出目安:43万円
・貯金:700万円(学資保険は前納済み)
・負債(住宅ローンなど):1,600万円
・保険(生命保険・個人年金):月5.9万円
 夫:3.2万円
 妻:2.7万円


花輪: 総務省の家計調査によると、2人以上の世帯(平均世帯人数3.41人)の水道光熱費の平均は月あたり2万363円、食費は7万5042円、交通・通信費の平均は5万4455円、医療費や家事に使う消耗品、被服代などの合計は3万6747円です。

高すぎるスマホ代、見直しを

通信費だけで月4.5万円は高過ぎるので見直しを検討してもよいかもしれません。

たとえば、固定電話を使っているという家庭も、携帯電話だけで連絡が可能なら、解約すれば基本料金約1700円が削減できます。さらに通話は、LINEなどのアプリを活用すれば、通話料がかかりません。スマホも、データ通信量が少ない人は格安スマホにすることで月額料金を下げることができます。

自分に最適なプランに変えて、光熱費の削減を

また光熱費も、家族構成の変化に応じて見直すことで減らせそうです。たとえば、電気の基本料金は契約アンペアを60アンペアから40アンペアに変更すれば、毎月約562円が節約できます(東京電力の場合)。

電力自由化から2年半、ガス自由化からも1年以上が経過し、小売電気事業者は500社を超え、電気やガス、または携帯電話代なども含めたセット割引プランなどもあります。自分に合ったサービスを調べる比較サイトも充実しているので、事業者を変えるのも一つの選択肢になるでしょう。

価格.comエネチェンジなどで比較ができます。家族構成などの必要条件を書き込むだけで簡単にシミュレーション結果を出してくれるので、どの業者がお得なのか調べてみてもよいでしょう。

不要な支出を探してコツコツ減らす

他にも無駄な支出がないか、銀行口座やクレジットカードの記録を確認してみるのも良いでしょう。

使っていないクレジットカードの年会費、スポーツジムの月額費用など、使っていないのに支払っているサービスがないかを見直してみましょう。

スポーツジムは利用頻度が低いのであれば、自治体の体育館などを利用するのも手です。ヨガ、エアロビクスなどのプログラムを行っている場合もあり、民間と比べると安価な場合が多いからです。その他にもサブスクリプションサービスなど、利用していないものを見直してみましょう。

このようにして塵も積もれば山となるので、一つ一つの品目で無駄がないか潰していきましょう。月3万円程度は捻出できそうです。

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