読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は内藤忍氏がお答えします。


今まできちんと関わってこなかった「お金」と向き合いたいと思っています。これまでお金の管理をしようと、家計簿にチャレンジしては挫折し、投資にチャレンジしようとしては、あと一歩が踏み出せず、結局資産をただ預貯金に積み上げている状況です。お金と向き合えるようになるためのアドバイスをお願いします。


〈相談者プロフィール〉
・男性、30代前半、既婚

内藤: ご相談ありがとうございます。

資産運用の世界に一歩を踏み出すには、自らアクションを起こす必要がありますが、それには高いハードルがあると思いこんでいる人がいます。そういう方には、預貯金のような元本保証商品から、株式や投資信託のような元本が保証されていない商品への投資に向け、一歩を踏み出すきっかけが必要です。

そこで、お金に向き合うためのきっかけとして、毎月1回はお金に関するセミナーに参加するというのはどうでしょうか。

セミナーは「有料」のものに参加を

証券会社や不動産会社、税理士法人などさまざまな会社がセミナーを開催していますから、それらの中から興味があるものに、まずは参加をしてみましょう。

ただし、どのセミナーにするかは吟味した方が良いでしょう。その1つの基準が「有料のセミナーに参加する」ということです。これは、私自身が無料のセミナーをほとんど開催しないから、そう言っているというわけではありません(笑)。

有料セミナーと無料セミナーの最大の違いは、参加者のレベルです。お金を払って聞きに来る人と、タダで聞きに来る人では、セミナーに取り組む意識が違います。

皆が真剣に聞いている中で受けるセミナーと、やる気がなく、始まる前から座って寝ている人や、スマホをいじって話を聞いていない人がいる中で受けるセミナーとでは、どちらが自分のモチベーションが高まるかを考えてみてください。

また、私自身の講師としての経験からも言えることですが、受講者が真剣な表情で聞いていれば、それだけ話にも気合が入るのは自然な感情です。

無料セミナーがすべて悪いと言っているわけではないですが、一般的に値段が高くなるほど意識の高い人たちが集まってきて、その結果セミナー自体のクオリティが上がり、アンケートの満足度も高くなる傾向があります。

また、セミナーによっては、意識の高い参加者同士が知り合いになり、そこに個人投資家のネットワークができたりすることもあります。

開催歴の長いセミナーを選ぶ

もちろん、有料ならどれでも良いというわけではありません。きちんと吟味し、「価値>価格」の内容であるものに参加できれば、満足度も高まり、また次のセミナーへのモチベーションも維持できることでしょう。

その見極めの条件として、開催歴が浅いものより、繰り返し実施されているものを選ぶようにします。

たとえば、5年、10年、繰り返し開催されているセミナーは、それだけ口コミなどで評判が広がり、支持する人がいると考えることができます。

次に、投資のセミナーで「絶対もうかる」「短期でラクラク」といった、安直で断定的なフレーズを出しているものには要注意です。なぜなら、投資は不確実なもので、絶対もうかるわけがないからです。短期でラクラク利益が出るわけがありません。「ノーリスク・ハイリターン」「確定利回り10%」というものはありません。

さらに、講師の経歴や今までの実績もチェックしましょう。たとえば、為替の実務をやったことがないのに、為替についてセミナーをやっている人の話は期待外れに終わることが多いものです。

あるいは、自分で海外不動産投資をしたことがないのに、フィリピン不動産投資セミナーをやっているといったケースも同じです。

意識が高まったら、必ずアクションを

そして、セミナーに参加し、資産運用の意識がせっかく高まっても、実際のアクションが伴わなければ意味がありません。資産運用の勉強のみでは、資産を増やすことはできないのです。

十分なインプットで刺激を受けたら、次は自分が何をするか決め、行動に移すようにしましょう。