はじめに

ホットヨガスタジオ「LAVA」、大ブレイクの理由

――その後1年間で20店舗になり、2015年には全国200店舗にまで拡大しました。この大ブレイクの要因について、どう分析していますか。

ひとつの要因は、料金体系をレッスンチケット制から月額会費制に変更したことです。

市場参入期、ホットヨガブームの最中においては、アメリカのヨガ事業の成功例に習い、チケット制を採用。いわば“前払い”になり、ブームに乗ってオープンから3カ月で投資資金を回収してしまう店舗も珍しくなかったほどです。

――チケットの前売りはスタートダッシュにもつながっているように思えますが、なぜ会員制への変更を考えたのでしょうか。

チケットを買っても、いつ使うか、あるいは使わないかはお客さま次第です。最初にご購入いただいた分を消化するまで数カ月かかるお客さまもいて、リピート率にバラツキがあることがわかったのです。

月額会員制にすると当然、来店数が少ない方は「もったいない」という感覚になりますが、そもそもホットヨガは継続的に行うことで健康に資するものですし、定期的に通っていただける環境を作りたかったのです。

実際、チケット制から月額会員制に切り替えたことで、お客さま一人あたりの来店数は、平均2.8回から4.8回と、ほぼ倍増したのです。社内には慎重論もありましたが、常識にとらわれずにチャレンジできるのが、新規事業の長所でもあります。

――「インストラクターを社員として雇用する」というのも新しい取り組みでした。

それまでのフィットネス/ヨガ業界には慣例としてなかったことで、こちらもブレイクの要因だと考えています。

当初、LAVAのインストラクターはすべてアルバイトでした。そうすると、各店舗のマネージャーはそのシフト調整に労力を取られ、お店をより良くしていくために考える余裕がなくなってしまう。

そこで、まったくセオリーになかったことですが、思い切ってインストラクターを社員化しました。未経験者も一から育てる体制に全面的に切り替え、インストラクターのクオリティを上げながら、マネージャーが店舗のことをしっかり考えられる体制を作ったのです。

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