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明日解禁「ボージョレ・ヌーボー」が株高を醸成するワケ

ワインと株価の芳醇な相関性

11月15日といえば、多くのワイン好きにはたまらない「ボージョレ・ヌーボー」の解禁日です。ワイン好きとまではいかなくても、解禁日には仕事帰りに1杯、お店で楽しむ方も少なくないでしょう。あるいは、注文しておいたワインのボトルを家族で堪能する方もいるでしょう。

ボージョレ・ヌーボーはフランスのブルゴーニュ地方、ボージョレ地区のブドウから造られるもので、フルーティで軽い味わいのワインです。“ヌーボー”はフランス語で新しいという意味で、“新酒”のことを指します。

ワイン好きの中には、軽いワインは合わない、などという方もいるでしょう。しかし、新酒となるボージョレ・ヌーボーをたしなんで、ワインのシーズンの初めに、その年のワインの出来栄えを確かめることも醍醐味の1つになるようです。

ところで、ボージョレ・ヌーボーの解禁日は、株式市場でも一部の投資家の間で話題となる重要な日です。それは「解禁日の株価は高くなりやすい」というジンクスがあるからです。


過去8年の解禁日は毎年プラス

実際に2010年から昨年まで、ボージョレ・ヌーボー解禁日の日経平均株価は8年間連続してプラスでした。解禁日は毎年、11月の第3木曜日と決められています。表1は、その日の日経平均の騰落率を示したものです。

実は、ボージョレ・ヌーボー解禁日が株高になる現象は、昔から見られていました。法律が改正されて解禁日が第3木曜日と定まったのが1985年ですので、それ以降の解禁日の騰落率を見てみました。

騰落率の平均は0.36%とプラスです。そして1985年からの33年間で、22回となる66.7%が上昇日となっています。

さらに面白い結果は翌日です。翌日のほうが当日よりも株価が高くなる傾向が強く見られました。

解禁日が株高になる行動経済学的理由

なぜ、こんな現象が見られるのでしょうか。「偶然じゃないか」と思う読者の方もいるでしょう。でも、こういった考えができるかもしれません。

ボージョレ・ヌーボー解禁日が来ると、お昼休みなど、同僚とボージョレが話題になることもあるでしょう。仕事帰りに、ちょっとワインを軽く1杯するのも楽しみになるかもしれません。

ワイン好きでなくても、せっかくの記念日です。ちょっとワインをたしなんでみようか、と考える人もいるでしょう。なんとなく、気持ちが明るくなる話題ですよね。

このように、人々の気持ちを明るくさせることが相場にプラスに働くという話は、行動経済学の分野で研究が進んでいます。当日の株価が上昇するのは、こんな人々の心理が働いているのかもしれません。

他の新酒でも同様の傾向

では、翌日の株高については、どのように説明できるのでしょうか。

前日にボージョレをたしなんだことで、投資家の気持ちが明るくなり、それが株高に表れているのかもしれません。あくまでも行動経済学的な仮説ですから、証明は難しいものです。でも、実際に解禁日に強い株高の傾向が見られるわけですから、そんな理由が隠れていてもおかしくないでしょう。

ところで、ワインの解禁日といえば、ボージョレ・ヌーボー以外にも、いくつかあるようです。表3では、ちょっと知られた2つの新酒の解禁日と翌日の株価を調べました。これらの新酒は、ボージョレとはちょっと違って、解禁日が日にちで指定されています。

すると、どうでしょうか。騰落率の平均はプラスとなっており、いずれも株高傾向となりました。ワインと株価は深いつながりがあるのかもしれません。15日のボージョレ・ヌーボー解禁日も株高が期待されます。

(写真:ロイター/アフロ)

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