はじめに
知的障害のある人が、職場で"幼稚園児以下"などと暴言を吐かれてパワーハラスメントを受けた問題は、損害賠償を求める訴訟にまで発展しました。
私立大学のアメリカンフットボール部などスポーツ界でのパワハラ問題、米国女優などが声を上げて世界中に広がった#MeTooなどのセクハラ問題。
様々なハラスメント行為は、最近になって頻繁に起きるようになった訳ではありません。これまでもあったのに、オープンになっていなかったために社会の目が向けられることがなかっただけです。
しゅふJOB総研は、豊富な社会人経験を持つ働く主婦層に「これまでの職場でセクハラやパワハラなどのハラスメント(嫌がらせ)を受けた経験はありますか」と尋ねたことがあります。
パワハラ5割、セクハラ3割
複数回答で尋ねた質問に対し、最も多くの人が選んだのは「パワハラを受けたことがある」で49.4%と約半数。次に多かったのが「セクハラを受けたことがある」で30.4%でした。
有効回答数971人(回答者は全員女性)
さらに注目したいのが、「ハラスメントを受けたことはない」と回答した人の比率です。27.2%がハラスメントを受けていないということは、裏を返すと7割以上が何らかのハラスメントを職場で経験していることになります。
日本の職場は、何らかのハラスメントを受けることが前提となってしまっていると言っても過言ではない状況です。フリーコメントには以下の声が寄せられました。
「必要以上に怒鳴り散らす上司だったので毎日が怖かった(50代:派遣社員)」「人事権のあるものがセクハラとかして会社の対応が不十分なのは許せない(50代:今は働いていない)」「我慢するしかない(30代:今は働いていない)」
冷静な意見が意味するもの
一方、冷静な意見も見られます。「今の日本は少し騒ぎすぎだとも感じる(40代:今は働いていない)」「コミュニケーション不足が原因のことが多い(40代:派遣社員)」「線引きが難しい問題だと思います(40代:今は働いていない)」
ハラスメントの種類は様々ありますが、受け手によって感じやすいものとそうでないものもあるはずです。
同じような言動であっても、Aさんはハラスメントと感じ、Bさんはそう感じない、ということがありうるということも理解しておく必要があります。
加害者はどこにいるのか?
ハラスメントの被害者がいるのであれば、必ず加害者が存在します。ハラスメント被害について尋ねた人たちに、「これまでの職場でセクハラやパワハラなどのハラスメントの加害者になってしまった経験はありますか」という質問もしてみました。
有効回答数971人(回答者は全員女性)
すると、83.9%の人が「ハラスメントをしたことはない」と回答しました。7割の人がハラスメント被害にあったと答えた一方で、8割の人は「ハラスメントをしたことはない」と回答しているということは、職場で起きるハラスメントの殆どは主婦層以外の誰かが加害者だということになります。
それは、一体誰なのでしょうか?コワモテの男性部長でしょうか。あるいは、嫌みな男性社員でしょうか。
「まだまだ男尊女卑の考え方は根強く残ってると思う (40代:パート/アルバイト)」という声もありました。