はじめに
タイプA:アナリティカル(Analytical)
自分からあまり話をせず、すぐに打ち解けるよりも、一定の距離を置きながら時間をかけて少しずつ相手を理解していくタイプです。デートは細かいところまでリサーチして、しっかり計画を立てたいタイプ。時間に厳しく遅刻などはしませんが、相手の時間にも厳しい傾向があります。
アナリティカル系をデートに誘うなら、お店の詳細をしっかり説明したり、情報(Webサイト、雑誌)を提供したりすると良いでしょう。緻密なプランを立てるのが得意なため、情報を渡せば、一緒にプランを練ってくれるかもしれません。
タイプB:ドライビング(Driving)
決断が速く、行動派でぐいぐい引っ張るタイプ。無駄な事や非論理的なことを嫌うため、効率的なデートプランを好みます。
ドライビング系をデートに誘うなら、目的をクリアに伝え、具体的な日程(少し先の日程)を提示すると成功しやすいでしょう。逆に、遠回しでハッキリしない誘い方はイライラさせてしまうのでNG。
たとえば、「クリスマスだけど、映画館で○○を観ない?今調べたら席が空いていたから、良ければ予約しておくよ!」というように、並ばせたり待たせたりせず、端的にわかりやすい会話でスムーズにリードするのが大切です。
タイプC:エミアブル(Amiable)
いつもニコニコしており、優しく癒してくれるタイプ。相手のやりたいことを優先し、相手に合わせることが得意。その分、優柔不断で自分で物事を決めることが苦手です。
エミアブル系をデートに誘うなら、いきなり2人だと緊張しやすいタイプのため、まずは大人数の場に誘うことが望ましいです。「みんなでクリスマスパーティーしようって話しているんだけど、よかったら○○さんも来ない?」と誘い、パーティーで雰囲気がくだけてきたら2人で話す、といった流れがベスト。
また、その際の会話では相手の話に共感を示すと、安心感を与えることができ、盛り上がるでしょう。
タイプD:エクスプレッシブ(Expressive)
ノリが良く、盛り上げ上手なタイプ。会話をリードするのも得意です。予定外のことも楽しめるタイプですが、計画性がなく、細かなプランを立てるのが苦手な一面もあります。
エクスプレッシブ系をデートに誘うなら、楽しいことが好きなタイプなので、華やかな特別感のある場所を提案し、勢いで盛り上げることがポイントです。「クリスマス限定で食べられるメニューがあるレストラン」「テレビで話題のイルミネーション」など、明るく、楽しそうな雰囲気で誘うと成功率が上がるでしょう。
どうすればビジネスに応用できる?
今回お伝えしたソーシャルスタイル理論は1つの便利なツールではありますが、コミュニケーションの基本は「相手の立場に立つ」という気持ちがあってこそ。クリスマスまであと1ヵ月。読者の皆様の幸せなクリスマスを応援しています。
なお、行動科学に基づいて研究をされたソーシャルスタイルの考え方は、男女関係なく活用できるもので、プライベートのみならずビジネスシーンにおいても応用されています。たとえば、前述のデートの誘い方を、新商品の企画書を使った提案に置き換えてみましょう。
アナリティカルの係長には、細かい市場調査や他社比較データなど、検討に十分な情報を提供します。ドライビングな課長には、投資対効果の見込みや根拠などを紙1枚にまとめ、端的に伝えます。
エミアブルな部長には、他の部門長も賛成していることを伝え、安心感を持たせます。最後に、エクスプレッシブの社長には、この企画の将来性を情熱的なプレゼンを行い、その場で意思決定を促します。
このようにして、相手に応じて対応を変えることで個人のスキルや組織のパフォーマンスを高めるために応用することが可能なのです。ソーシャルスタイル理論を活用して、仕事もプライベートも充実させてみてはいかがでしょうか。
(企画協力:リクルートマネジメントソリューションズ ソリューションプランナー 佐藤一喜)