はじめに
子どもたちにとっては、冬休みやクリスマスに続き、お年玉が楽しみなお正月がやってきます。仕事や家事に忙しいミドル世代も、お年玉やそのお返しを準備する時期です。
近年では人々のライフコースが多様化し、子どものいないミドル世代も増えています。多くの人が子どもの親になった時代には、時間差はあってもいずれ互いの子どもへのお年玉のやりとりが生じました。
しかし、近年では子どものいない親族からもらうお年玉を、相手の子どもにお年玉でお返しをする機会がないまま時を重ねている人も増えているのではないでしょうか。今回はお年玉の実態に関するデータから、子どものいない親族からもらうお年玉の総額について考えてみたいと思います。
もらった相手で最も多いのは「祖父母」
金融広報中央委員会の調査によると、子どもがお年玉をもらった相手として最も多くあげたのは、小学生から高校生まですべて「祖父母」となっています(図1)。おじ・おばを含む「しんせき」の割合は、おおむね子どもの年齢があがるほど高くなっています。
注:縦軸の単位は%。
注:回答者は、全国の児童・生徒50,149人。小学生では、「くれた人」についての回答を集計。「しんせき」は「おじさん、おばさん、いとこ」。中学生・高校生については、「もらった人」別の金額欄に記入があった場合、「もらった相手」として集計。
出典:金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度調査」より作成。なお、計数については、小数点第一位を四捨五入。
子ども目線でみたお年玉の総額
また、子どもが手にするお年玉の総額は年齢とともに上がり、小学生の低学年では「1万円くらい」、中学年と高学年では「1万~1万9,999円」、中学生と高校生では「1万円~5万円未満」がそれぞれ最多となっています(図2)。このデータを基に一定の仮定の下で平均額を算出してみると、小学生では低学年が約1万5,000円、中学年が約2万2,300円、高学年が約2万6,100円、中学生が約3万4,200円、高校生が約3万5,800円となります(低学年はカテゴリー値、それ以外は各カテゴリーの中間値に基づいて算出)。
出典:金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度調査」より作成。