はじめに

支払いがキツく、生活がままならないなら…

現状、債務整理は視野に入れていないと思うのですが、支出の削減をしても赤字が減らせないのであれば、生活は行き詰るだけですので、債務整理を視野に入れても良いでしょう。これは、FPではなく、弁護士や司法書士などによる手続きが必要になります。

よく聞く「自己破産」は、自分の債務のすべてをチャラにする方法ですが、これは破産手続開始決定後、免責許可決定が確定するまでの間、弁護士、公認会計士、税理士、司法書士、行政書士、宅地建物取引士などの士業、質屋、古物商、生命保険外交員、警備員などの職業に就くことはできません。免責許可がおりれば復職できますが、なかなかやりずらいですよね。

これ以外のデメリットとしては、免責されてから約7年間はローンを組むことができなくなることなどがあります。

「任意整理」という方法もあります。今借りているお金に対する将来の金利をカットして分割払いにさせてもらうという手続きです。金利の分、総返済額が少なくなり、毎月の返済額を減らすことができます。

自己破産もそうですが、こういった手続きをすると、個人信用情報機関に債務整理をしたことが事故情報として記録されるので、その後しばらくローンを組むことができなくなります。新たにクレジットカードを作れなかったり、スマートフォンの分割払いも難しくなるケースがあります。

支払いがキツく、生活がままならなくなるようであれば、債務整理を視野に入れても良いと思います。ですが、根本にあるお金の使い方を改善しないと、同じことを繰り返してしまいますので、基本的な家計管理、支出の改善はぜひ取り組んでみてください。

支出増になっても医療保障に加入を

また、生命保険に入りましょう。支出の改善、債務整理を勧めるかたわら、支出が増える話をするのは矛盾していると思われるかもしれませんが、相談者さんは貯蓄もないですし、万が一に備えて、せめて医療保障の保険には入っておいた方が良いと思います。

体調を崩された時に、収入がない状態であっても貯蓄があれば、乗り切ることができたかもしれません。もし、仕事を辞めた時に何らかの病気が判明したとしても、状況によっては少し割高にはなりますが、加入が可能な保険もあります。

万が一の時に、医療費も生活費も払えないという状況になるよりも、多少給付という形でお金がもらえるように準備はしておくべきです。それが生活を守ることにつながります。

今回は同棲中の彼女さんに助けられたようですが、こういうことは長く続かないでしょうし、何度も起こせません。健康管理をしっかりするとともに、万が一の時も揺るがない家計を作ることを目指し、自分ができ得る策を選択、そして実行していきましょう。

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