株式市場は10月以降大きく下落していましたが、11月中旬以降は戻り基調となりました。今のマーケットの主題となっている米中間の貿易紛争は、12月1日にアルゼンチンで行われた米中首脳会談において、2019年に予定していた新たな制裁関税を90日間猶予することで米中が合意したため、米中紛争は一時”休戦”となりました。

これにより、摩擦激化による景気下押し圧力を警戒していた株式市場は、ひとまず安心感を取り戻しましたが、その後トランプ大統領が「私はタリフマン(関税の男)だ」とツイートしたことなどもあり、再び不安定な値動きとなっています。

このように、トランプ政権の経済政策に大きく振り回された2018年の株式市場も、残すところ3週間となりましたが、今年、個別銘柄の値動きはどのようなものだったのでしょうか。株価上昇率のランキングから振り返ってみましょう。


2018年の株価上昇率トップはアノ銘柄

まず、昨年の年末から今年11月末までの株価上昇率上位10銘柄のランキングを見てみましょう(下図)。

これを見ると、今年は外需株よりも内需株が優位であったことがよくわかります。1位のサンバイオは、慢性期脳梗塞向けの新薬「SB623」の治験結果が良好であったことから、11月以降大きく株価が上昇しました。

このほか、2位の大日本住友製薬や4位のタカラバイオ、7位のエーザイなど、医薬品やバイオ関連企業が上位に多くランクインしました。これらの銘柄群には、サンバイオのように個別に好材料が出たものが多いですが、セクターとしても米中間の貿易紛争の影響を受けにくく、株価が堅調に推移したものが多かったようです。

その他では、3位のユニー・ファミリーマートホールディングス、6位の工場用間接資材のネット通販大手MonotaROなど、小売業も上位にランクインしています。ユニー・ファミリーマートホールディングスは、ドンキホーテHDとの提携などにより業績が堅調なほか、浮動株が少ないため日本銀行によるETF買い付けの影響を受けやすい銘柄としても注目され、大きく上昇しました。

外需株が大きく値下がりした2018年、では2019年は?

一方の上昇率下位銘柄も見てみましょう。

上昇率下位銘柄には、外需関連株、特にハイテク関連の製造業が数多くランクインしており、米中間の摩擦が関連銘柄に大きく影響を与えていたことが分かります。

過去のこのようなランキングを見ると、2年続けて騰落率の上位や下位にランクインすることは少なく、むしろ翌年にはランキングが入れ替わることもあります。足元ではまだ米中間の貿易紛争が落ち着いたとは言いづらい状況ですが、株価水準としてはこなれたものになっている銘柄も多く、前述した米中摩擦が一時休戦から停戦となった場合には、大きく反発する余地があります。

これらを参考に、2019年に投資する銘柄を探してみるのはいかがでしょうか。

(文:松井証券 シニアマーケットアナリスト 窪田朋一郎)