はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はたけやきみこ氏がお答えします。
毎月の給与では年間のイベント費(海外旅行30万、国内旅行10万×3回、キャンプ10万、祝い金15万など)を補うことができず、ボーナスで赤字補填しています。
現在、会社から家賃補助があり、食事も自炊をこころがけ、住居費、光熱費、食費、日用雑貨、娯楽費で、生活費は月6万円に収まるように努めています。資産運用や個人年金などは若いうちから始めた方がいいと思い、去年から投資信託を月3万円で始め、老後に備えて個人年金保険に月0.9万円を支払っています(iDeCoは適用条件に含まれないためできません)。また、奨学金を月1.2万円返済(無利子)。結婚する時に借金はない方がいいと考え、一括返済できるよう200万円を定期預金に預けていますが、結婚前に完済できれば、この200万円はそのまま結婚式の資金や新婚生活の資金にあてる予定です。
ボーナスで赤字補填するのは良くないと思いつつも、投資信託や個人年金などの途中解約は考えていません。ただ、ライフプランを考えていないので、このままでいいのか不安です。ボーナスによる赤字補填をなくし、将来の結婚資金や子育て資金に備えるためにはどこから見直したらいいのでしょうか。
〈相談者プロフィール〉
・女性、20代、未婚
・職業:会社員
・居住形態:賃貸(会社から家賃補助あり)
・手取りの世帯月収:16万円
・手取り年間ボーナス:100万円
・毎月の支出目安:12~13万円
・貯金:200万円
・負債(奨学金の返済):200万円ほど
【支出の内訳】
・生活費:6万円ほど
・奨学金返済:1.2万円
・保険:0.9万円
・個人年金:0.9万円
・投資信託:3万円
たけや: 自由になるお金が多いのは20代だからこそですね。旅先やキャンプでの色々な経験から得られるものは決して無駄にはなりません。とは言いましても、将来のことを考えると、相談者様の不安も理解できます。
ライフプランを考えて「見通し」を立てることで、モヤモヤは晴れてきますので一緒に考えていきましょう。
ライフプランとは「見通し」を立てること
私も20代の頃は、夏には北海道へツーリングに行ったり、冬は毎週のようにスキー三昧でした。一方で、転職や生涯やりたい仕事について悩んでいた時期でもあります。しかし、昔と今では、状況が違ってきました。年金不安や長引く低金利など、将来のお金のことも気になりますね。
そこで、20年のスパンでいいので将来について想像してみましょう。結婚や子育てを想定されていますが、そのほかには何があるでしょうか。結婚後には、新居の準備やマイホーム購入も考えられそうですね。結婚以降にかかる費用は、夫婦の家計から賄うことになると思いますので、今、厳密に金額を決めておくことは難しいです。ただし、お金はあって困るものではありません。
見通しとして、結婚費用は仮に200万円を用意しておく、そして、その後のライフイベントのためにもできる限りの貯蓄や資産づくりを継続していくということになります。