はじめに
ランキングで見る「23区で年収上位」のマンション
「人気学区」と一口にいっても、どうやって探したらいいのでしょうか? 「実は、人気学区と世帯年収には相関関係があります」と沖さんは話します。
スタイルアクトが運営する「住まいサーフィン」では、2016年に独自の算出方法による「学区別世帯年収」を公表しました。まずは23区それぞれの世帯年収が1位の学区を見ていきましょう。
「東京23区別学区年収1位の公立小学校」(2016年)。このランキングの小学校区平均世帯年収は、総務省統計局 「2010年国勢調査」「2013年住宅・土地統計調査」をスタイルアクトの独自ロジックを使用して分析・作成し、町丁目単位の平均世帯年収を算出したもの。
ランキング1位は港区の南山小学校。都内屈指の高級住宅地である元麻布や、「六本木ヒルズ」のある六本木6丁目がその学区に当たります。港区では2012年度から区内の小学校に外国人生徒を受け入れて英語などで授業を行う「国際学級」を設置していますが、この南山小学校にも2017年度から一部の学年で国際学級が設置されています。
また、ランキング2位の千代田区の番町小学校は1871年(明治4年)創立の歴史ある小学校。卒業後に麹町中学校、都立日比谷高校を経て東京大学に進むことが日本の代名詞だった時代もあったそう。一番町から六番町まである「番町アドレス」は高級マンションのうたい文句にもなっています。
そのほかの区を見ても、3位の品川区立第三日野小学校の学区に当たる高級住宅地「池田山」、4位の大田区立田園調布小学校の学区に当たる「田園調布」など、よく知られた高級住宅街にある学校がランクインしています。「例外もあるとは思いますが、年収が高くなればなるほど、わが子の教育に熱心でコストもかけられるという人が多いといえるでしょう」(沖さん)。
「今の住まいに近い人気学区エリア」を要チェック
そうはいっても、わが子の教育のためになるから、含み益が出やすいからという理由で都心の高級マンションが買える人はさほど多くはないはず。沖さんがすすめるのは、「今住んでいる地域で、どの学区が人気なのかを徹底的に調査すること」です。道路を挟んで向かい側のエリアが人気小学校エリアだったり、隣の駅にある小学校が実は伝統ある人気小学校だったりする場合も。情報をしっかり押さえて小学校とマンションを選ぶことで、わが子の進路や今後の住み替えが大きく変わってくる可能性があるかもしれません。
未就学児ファミリーが家を買うときのチェックポイントは?
(1)人気の小学校区を選ぶこと。需要が高いので値崩れしにくい
(2)戸建ては「売りたくても売れない」可能性も。マンションを選ぶのが正解
(3)今住んでいるエリアのすぐ近くが人気小学校学区ということも。情報をしっかり集めて納得できる家選びを
取材協力
沖有人
スタイルアクト株式会社代表取締役。不動産ビッグデータを駆使したビジネス展開を得意とする。分譲マンション情報サイト 「住まいサーフィン」 、独身者向けマンション購入情報サイト「家活」を運営。