はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナー(FP)が答えるFPの相談シリーズ。今回は読者の家計の悩みについて、プロのFPとして活躍する深野康彦(ふかの・やすひこ)氏がお答えします。
クレジットカードの支払いに対して、「今ならリボ払いが間に合います!」といったメールが届いたりします。このリボ払いは単に支払いを遅くできる分、それだけ利息を取られるのでしょうか? それともこちらに何かメリットのある使い方ができたりするのでしょうか?(昔、あえてリボ払いにしてマイレージを貯める方法があったような記憶はあるのですが……)。よろしくお願いします。
(20代後半、既婚・子どもなし、女性)
深野: クレジットカードを利用した場合の返済方法のリボ払いに関するご質問ですが、まずはリボ払いの仕組みを簡単にご説明させていただきます。
リボ払いの「リボ」とは「リボルビング」のことで、回転ということを意味しており、拳銃のリボルバーが語源だと言われています。リボ払いでは、利用金額や利用件数にかかわらず、毎月の支払い金額がほぼ一定となる支払い方法になります。
毎月の支払い金額には、利用残高にかかわらず定額を支払っていく「定額コース」、利用残高の全額を支払う「全額コース」、利用残高に応じて支払額が変わる「残高スライドコース」があります。
リボ払いにするメリット
リボ払いにするメリットは、毎月決められた金額さえ支払えばよいのですから、支払いの計画が立てやすい、一定額までは支払額を気にせずカードを使えることがあげられます。
リボ払いにするデメリット
ただし、一定額まで支払額を気にせずカードが使えるというのはデメリットにもなります。毎月の支払額が一定金額であることから、カード使用に節度がなくなってしまうケースがあるということです。
たとえば、20万円までであれば毎月1万円の支払いだとした場合、20万円まで安心して使ってしまうという気の緩みだけではなく、一定期間返済すれば、利用枠が復活する(20万円まで使ってしまっても3万円支払ったらまた3万円まで使うことができる)の繰り返しを行ってしまうケースがありえるからです。
リボ払いの金利
さらに、リボ払いを活用した場合、当然ながら金利が発生することを忘れてはなりません。カード会社によって、あるいは手持ちのカードの種類によっても異なりますが、ある会社のリボ払いの実質金利を調べたら、年率8.04%-18.00%もありました。預貯金の金利が0.1%を概ね下回っている中、かなり高金利と言わざるをえません。カードによるキャッシングに近い金利といえます。
これでは高い買い物をしたことになるばかりか、仮にマイレージが貯まったとしてもマイレージで元を取ることも難しいでしょう。メリットに比べてデメリットの方が大きいですから、リボ払いを利用するのは極力避けたほうが賢明といえます。
カード会社はあの手この手でリボ払いを使わせようとする、と言うことは、カード会社にはメリットがあるのでしょうが、反面、私たち利用者にはメリットはないということになります。