はじめに

ビジネス恋愛、友情・兄弟愛が圧勝?

では、どういうきっかけで運命の人と出会っているのでしょうか。上で示した出会い方のさらに上位にランクインしたきっかけが、以下の3つになります。

前回の「結婚難民の羅針盤」で、平均初婚年齢と平均交際期間から逆算して「運命の人に出会った時期」を計算しました。その結果と一致するような回答が示されています。

「男性が27歳手前、女性が25歳で出会っているようだ」との前回結果と整合性高く、社会人同士が「職場や仕事の関係で」出会い結婚した、が1位となっています。実に3人に1人もの人が、職場や仕事を通じて(上司の紹介のお見合いを除く)出会っているのです。

また、3人に1人弱の人が、友人や兄弟姉妹経由、と答えています。学生時代の出会い婚は10人に1人程度ですので、そこまで期待できる割合ではないようです。

待ちの姿勢では“運命の人”は現れない

友人や兄弟姉妹経由、と回答している人が多いということは、やはり成婚カップルのどちらかが友人や兄弟姉妹に「彼氏、彼女が欲しい」と伝えることから始まっていると思われます。ハラスメント問題が大きく叫ばれている今、結婚を希望していない人、希望しているかわからない人に、あえて紹介するリスクをとる人はそうはいないはずだからです。

まずは自分をよく知る友人や兄弟姉妹に謙虚に、切実に、お願いする、という積極的な態度が結果につながりそうなことが示されています。「誰かいい人いないかなあ……」とスマホにつぶやいていても、ハラスメントが叫ばれなかった昔のようには、周囲から声がかかりません。

繰り返しになりますが、「結婚したくないの?いい人いるよ?」の一言が、向ける相手によっては大問題視される時代です。そんな周囲の環境変化を「誰も紹介してくれなくなった」と嘆くより、ならばまずは自分から声をあげよう、ということです。

そして1位の職場、仕事を通じての出会いに関しては、まさに「一期一会」を示唆しているといえます。

積極的に、そして「一期一会」を大切に

一期一会とは茶道の世界の言葉です。茶をたてる亭主と招かれた客とのある日の茶の湯の時間とまったく同じ時間はもう2度とはない時間なので、「一生に一度の出会いの時である」ということを肝に銘じて、亭主も客も互いに誠意の限りを尽くしましょう、ということです。

「じゃあ、仕事で誠意ある姿を見せていれば、結婚相手に出会えるの?」という疑問には、その逆を考えてみるとわかりやすいと思います。お客様や同僚、上司、部下に嫌われている、不快にさせる、独りよがりな、意味不明な、そんな態度を日頃とっている人に、「この人を結婚相手にしたい」といった好意を持つ人がいるのか、という視点です。

筆者が20代後半の頃、同じく総合職として働いている先輩既婚女性に「どうしたら出会えますか」と聞いたことがあります。先輩の答えは驚くほどあっさりした、諭すような即答でした。

「目の前の仕事にコツコツ、真摯に向き合いなさい。見ている人がいるよ」

仕事に誠実に向き合う中で、自分の中に芽生えた新たな自信、課題の処理能力、対人力。それはやはり、後に運命の人との出会いの力に変わっていったと、今になると感じます。素敵なクリスマスが読者の皆さんに訪れますよう……。

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