はじめに

バザーやお祭りで“赤字”を出さないためには?

団体によっては、活動の中に収入を伴うイベントが含まれている場合があるでしょう。バザーやお祭りでの出店などです。

このような、いわゆる「もうけ=利益」が出るイベントに関しては、収入と経費を個別に把握しましょう。会社が行うようなイベントとは異なり、任意団体のイベントは、天気など偶然の事情によって利益の額が左右されるものです。

最悪の場合、イベントが中止になり経費だけが出てしまう可能性もあります。そのため、イベントの経費は、前年度繰越金の3分の1程度に抑えるのが安全でしょう。3年連続でイベントが中止になることは考えにくいです。天候不順などの不運により経費だけが出てしまった場合は、前年度からの繰越金で吸収できればよいと考えましょう。

予算があれば忙しい保護者もラクに役割分担できる

昨今、働く母親が増えたことで、PTAのあり方を見直すべきではないか、という議論がたびたび起きています。個人的には、PTAの会計を予算化することで、PTA役員を担当する保護者の負担を大幅に減らすことができるのではないかと考えています。

保護者には、専業主婦もいれば兼業主婦もいます。もちろん母親だけでなく、父親が参画する場合もあるでしょう。立場が異なれば、自由に使える時間帯は異なります。また、買い物の方法も商店街、スーパー、ネットショップとさまざまです。このような違いがあっても、PTAの目的は地域の大人が子供の健全な育成をサポートするという点では一致するはずです。

イベントが予算化されていれば、イベントごとに担当者を決めて権限を委譲しやすくなります。担当者に裁量権を与えることができるのです。担当者は予算の範囲内で買い物などをして、レシートと交換に会のお金を受け取ります。会計担当役員は、項目がわかるように帳簿に記帳し、レシートを保管しましょう。最初に予算が決まっていれば、お金が足りなくなる不安もなく、各自が自分にできる方法で団体の活動に貢献できるはずです。

イベント当日、子供たちが喜ぶ顔を見れば、保護者も自然に笑顔になるのではないでしょうか。PTAや子供会などの会計を予算化することで、多様な生活スタイルを持つ保護者が参加しやすく、子供たちとのつながりも深まる有意義な活動が増えたら、会計に携わる者としてもとてもうれしいです。

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