主婦が陥りやすい「小遣いと生活費の混同」

家計のコントロールを失う原因の一つに、「妻が小遣いをもらっていない」ということがあげられます。生活費、家計費などという大きなくくりの中で、各費目の中に妻の小遣い的な支出が含まれ、生活費の支出を膨らませてしまうのです。家計と小遣いを一緒に管理してしまう主婦という立場だからこそ起こりやすいことです。

H家もこのような状態だと思われたため、まず、妻の小遣いを設定し、洋服や化粧品、ランチ代などはその中で計画的に使うことに取り組んでもらいました。妻専用の財布を準備し、小遣い額の1.5万円のみを入れておきます。そして、生活費用の財布には、10万円から1.5万円を引いた8.5万円を入れておきます。この形でやりくりできるようになることが目標です。

奥さんは生活費としての予算が少なくなったように感じたそうです。しかし、自分が後ろめたい思いを抱かずに使うことができる小遣いができたことと、家計相談の場で小遣いとして使い過ぎを指摘されたことで、買い物の仕方に気をつけたり、食材の無駄を出さないことを意識したり、食費を徐々に下げていくことができました。月の途中に“冷蔵庫空っぽデー”や“支出ゼロ円デー”を設けて、いろいろなことを試しながら自分のペースを作ることができてきました。日用品についても同じように取り組みました。「自分への支出は小遣いから」というルールを守り、支出を抑える工夫に無理なく取り組むことで、徐々に支出は減っていきました。

支出削減を積み重ねて、月7.4万削減

奥さんのお金の使い方が分かって対策が取れそうなことに安心したので、Hさんも自分が管理している、引き落としの支出を見直してみることにしました。しばらく行っていないジム代、スマホ3台とネット環境だけなのに高額な通信費、色々なところに目が行きます。まず、明らかに無駄であると思えたジムは解約しました。スマホも、息子はSNSの閲覧や友達との電話はSNSの音声通話などが主です。Hさんは仕事上あまり必要ではなく、息子より使いません。奥さんも友人とSNSでたまにやり取りする程度です。大手キャリアにこだわりはなかったので、全員分を格安SIMに入れ替え、格安スマホを使うことにしました。他に、節水シャワーヘッドを使ってみたり、よく使う部屋だけLED電球にしてみたりもしました。また、残金が50万円を切っていた自動車ローンは、利息を節約するために貯蓄から一括で返済してしまうことにしました。

こういうことをしているうちに、支出は合計で7.4万円削減でき、黒字家計へと転じました。ボーナスが減ることもなくなり、必要経費を支払えば残りは貯蓄できますし、順調であれば毎月7万円貯蓄していける見込みができました。単純に見込みとして計算すると、年間で最低でも130万円ほどの貯蓄が作れる見込みとなりました。働ける期間が丸々10年残っているわけではありませんが、このままを維持できれば、1300万円に近い金額の貯蓄ができそうです。退職金も加われば、老後資金としてはまず、よい状況かなと思えます。

思いやりで始めた夫婦別財布が裏目に出ることも

ただ、課題は残っています。定年後、再就職や再雇用で収入を得続けたとしても、現役ほどの収入はないでしょうし、今のところ70歳まで働ける会社はそう多くはありません。あと10年でどのように変わるかはわかりませんが、住宅ローン返済期間中に働けなくなることを想定し、お子さんが独立後は生活費をさらに圧縮し、貯蓄額を増やしながら、繰り上げ返済も検討していくとよいかもしれません。

Hさんの家計改善は始まったばかりでまだまだ改善の余地はありますが、まずは無理なく継続できる範囲まで支出を落とし、それを維持できることを目標とします。残りの課題については、また次のステップへ進む時に検討していきますが、今の段階で家計改善を実践することができ、よかったと思います。今までのままでしたら、老後貧乏まっしぐらのところでした。

Hさんのご家庭は、一馬力のご家庭にありがちな夫婦別財布です。おそらく、自由に使えるお金が持てるようになど、思いやりから始まることが多いのかもしれませんが、どうせ分けるのであれば、家庭内で支出について公にできる仕組みを作ったほうがよいでしょう。そして、それが難しい場合は、Hさんのように第三者に相談することを検討するのもありだと思います。第三者やプロに同席してもらうことで、互いの支出の内容を共有できる場にもなりますし、家計管理の方法についても、ご家族が納得して協力をしてくれることが多くなりますので、ぜひお試しいただきたいと思います。

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