はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナー(FP)が答えるFPの相談シリーズ。今回は家計の悩みについて、プロのFPとして活躍する深野康彦(ふかの・やすひこ)氏がお答えします。

はじめまして。以下の条件において、最も有利と思われる投信なども含む貯蓄方法を教えてください。何例かありましたら、すべてお聞きしたいです。
1.毎月30万円ずつ積み立てる予定
2.できるだけ、任意の時点でおろせるのが望ましい。やむを得ない場合、依頼してから1年以内くらいにおろせると助かります。
3.元本保証
どうぞよろしくお願いいたします。
(40代前半 既婚・子供なし 男性)


深野: 貯蓄方法に関するご質問ですが、ご質問者が出した3つの条件を満たす貯蓄方法としては、積立貯蓄を行っているインターネット専業銀行の積立定期預金を利用することでしょう。

条件1の積立金額はさておき、条件2の「できるだけ、任意の時点でおろせるのが望ましい」、言い換えれば流動性の高い積立方法をお考えであること。ご質問には投資信託なども含むと書かれていますが、残念ながら投資信託には元本が保証されている商品はありません。つまり、条件3の元本保証を満たせないのです。

3つの条件を満たす方法は?

投資信託は任意の時点でおろすことはできても、その任意の時点で必ず収益が出ているわけではありません。ほかの商品も元本が保証されていないことから、3つの条件を満たすためには定期預金の積立がベストと思われます。

ただし、銀行口座からの引き落としで積立をするのではなく、毎月自分で金融商品を買い付けて行ってもかまわないと言うのであれば、3つの条件を満たす商品として個人向け国債の「変動10年」を毎月30万円ずつ買い付けていく方法があります。

定期預金の積立より有利な点は、利回りが高くなることです。

反面、積立をしてから1年間は原則解約できません。1年経過すれば解約は可能(全額・部分解約も可能)になりますが、積立をしてから1年半くらいの解約では、定期預金の積立より利回りが下回る可能性があることに注意が必要になります。

手間暇が若干かかりますが、ある程度の期間積立を継続する前提であれば、個人向け国債を毎月買い付けていく方法も一考の余地がある気がします。

残念ながら元本保証にこだわる限りは、積立の基本にそった方法しかないのが現状です。

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