はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はマネーフォワードから生まれたお金の相談窓口『mirai talk』のFPがお答えします。

やっと子供1人が春から社会人になります。3人目はこれから大学受験で、予備校などにまだまだお金がかかります。子供の教育には出せる分だけ出すというやりくりをしていたため、当たり前ですが、貯金はあまりありません。膨れ上がってしまう支出に感覚が麻痺している部分があり、すぐには無理でも少しずつペースを落とした生活を送っていくよう心がけたいと思っています。そこで、プロによる我が家の支出適正額について、アドバイスをお願いします。


〈相談者プロフィール〉
・女性、50歳、既婚(夫:50歳・自営業)
・子供3人:22歳(大4)、18歳(大1)、15歳(高1)
・職業:パート
・手取り世帯月収:夫79万円
・手取り年間ボーナス:夫79万円
※妻のパート代14万円は家計に含まない


【資産状況】
・預貯金:120万円
・有価証券:400万円(株式、親からの相続)
・車のローン:220万円


【支出の内訳(78.45万円)】
・住居費:8万円
 (ローン支払い済み。管理費、修繕費積立、駐車場代含む)
・保険:3.2万円
・教養・教育費:21.9万円
 (予備校代、英会話代含む)
・通信費:1.9万円(携帯3台分)
・自動車:8.7万円(車のローンなど)
・食費:17万円(ほとんどお惣菜と外食)
・水道光熱費:1.9万円
・日用品:3.4万円(ペットのエサ代含む)
・趣味・娯楽:1万円(妻のテニススクール代)
・衣服・美容:0.9万円
・健康・医療:2.3万円(歯科矯正代など)
・交通費:0.25万円 
・子供のお小遣い:1万円
・貯蓄:5万円
・不明金:2万円


FP: ご相談ありがとうございます。miraitalkファイナンシャルプランナーの秋山です。上のお子さんが社会人になられるのですね。おめでとうございます。親御さんが負担する生活費などが少し軽減する半面、新たに支出が増えそうな要因もあるということで心配は尽きないですね。そろそろ老後も意識しなくてはいけませんから、支出について項目ごとに金額を確認をしていきましょう。

お金の流れが少し変化する時期

今まで子供3人の生活費、学費を支払う必要があったのに、1人分配慮しなくなるということは、親としては少し楽になるように感じますね。上のお子さんが、ご実家から仕事に行かれるのか、家を出て本当に独立されるのかわかりませんが、ご実家で同居する場合、収入を得られるようになれば独立した大人と認識して、生活費を多少なりとも負担してもらう約束をしておきましょう。

そして、生活費は大体1人分少なくなったと考え、支出を削るようにしていきたいものです。そうは言うものの、ご相談者さんのご家庭の1ヵ月の収入は多く、生活費に十分すぎるほどお金をかけてきたようです。自営業であると、長く働けるメリットもあるでしょうが、リタイヤするときの退職金などはご自分で準備しなくてはいけません。つまり、老後資金は自分たちでしっかり準備しておかなくては、暮らしていけなくなるということです。

ご相談者さんの年金加入状況などはわかりませんが、もし国民年金だけの場合は、1ヵ月分の年金額は6.5万円ほどが2019年の満額です。実際に受給する年齢になると、この金額より少ないかもしれませんから、2人分合わせても1ヵ月暮らせるほどの金額をもらえないでしょう。不足部分はご自分たちで準備した老後資金で補てんすることになります。そうなると、いくら必要になるでしょうか。今のうちから見当をつけ、支出をカットしたり、貯める仕組みを作ったりして、準備を始めたほうがよいことがおわかりかと思います。

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