はじめに
今は「投資」を行う時期にあるのか?
昨年11月に行われた米国の大統領選挙でトランプ氏が勝利し、日米の株式市場が大きく上昇しました。「トランプラリー」などと言われていますが、相場上昇の要因はトランプ大統領が企業の収益にどれだけメリットを与えたかということではなく、実際は「企業業績がよくなるのではないか」との期待で買われたということでしょう。
そしてなによりの上昇要因は、大統領選挙が終わったことによる利上げへの期待です。無事に大統領選挙が終わったということで、米国では12月の利上げが確実視されました。その結果、債券を売って株式を買うことが一斉に行われ、金融株を中心に株価が上昇したのです。
金利が上昇するということは、債券の価格が下落するということで、下落するものを早々と売って、金利上昇でメリットがある、あるいは好調な業績が期待される株が買われたのです。
それでもまだ、株式のなかには「配当」と呼ばれる企業の株主に対しての利益還元が年利換算で3%を超えているものも見られます。
配当が継続される限り、株価の値下がりを無視すると投入資金に対してのリターンとしては十分に投資する価値のある企業も多いです。資産運用としての年間リターンは十分と言えるのではないでしょうか?
もちろん、リスクをとって3%という結果に満足はできないかもしれませんが、株式は買った値段より下がっていた場合に売却しなければ損失になりません。当初の投入金額に対して予定通りの配当が出たということであれば、それは予定通りの結果であり、予定通りの運用ということになるのです。
「投資で苦しむ必要はない」
私が運営する株式教室の生徒にはよく言っているのですが、「資産運用、特に株式投資で苦しむ必要はない」のです。株式投資は楽しむ目的で行ってもいいのではないかと思います。
例えば、東京ドームの株式を持っているということは東京ドームという会社の一部分を保有しているということです。東京ドームに人が集まって会社の収益が増えれば、自分が投資した金額も増えているということになるのです。
株式投資が大きな損失となったという方は、投資や資産運用ではなく、投機、ギャンブルとして株価を使ったということだと思います。
米国の大統領選挙が終わり、債券から株式への資金シフトが行われ、株式相場が大きく上昇しましたが、昨年12月中旬からは低迷している状態です。
では、今は株式投資の好機ではないのでしょうか? 確かに大きなチャンスは逃した感じではありますが、株式投資はいつからでも始めることができます。
先に述べたように、資産運用として株式投資を考えていただくと、「いつでも投資のチャンス」と言えるのではないかと思います。