はじめに

30代になった頃から、友人達との会話に出てくるようになった話題の一つに、「仕事で得られる達成感や自分の存在価値がプライベートで感じるそれより大きくなってきた」というものがあります。

皆様はいかがでしょうか。

失敗ばかりで自信を失うことの多い若手時代から少し成長し、仕事では10年ほどの経験を積んで、そろそろ責任ある仕事を任せられている人も多い年代です。

仕事では自分の裁量も増えると同時に認められる機会が与えられ、そのための努力のコツとエネルギーもついてくる時期でしょう。俄然、こなせる仕事の量や達成感、目に見える成果も若手の時とは変化してきます。

ただ、先輩達の背中を見ていると、出来て当たり前の範囲が広がっていて、このままでは今やっていることでは認められなくなってくるのかな…なんて不安もよぎったりもします。

自分自身が認められるという環境を周囲に作ってもらうだけでなく、自ら作りだしておけると、辛い時に救われるのではないでしょうか。

今回は、そのような環境づくりに役立つコミュニケーション術をお伝えします。


人は自己実現を目指す生物

皆さん一度は見たことや聞いた事があるでしょうか。マズローの欲求階層説という、人の欲求について心理学で定義されている欲求の5段階です。

簡単に言うと、下にある欲求が満たされると、その次の段階の欲求が生じるという欲求の順序を表しています。

社会人は概ね、この生理的欲求・安全欲求・所属欲求は満たされていることが多く、ここから先、自己実現を目指してイキイキと生活するためには、一つ前の承認欲求が満たされる必要があるといえます。

このマズローの欲求階層説もそうですが、心理学的には人は自己実現を目指している生物と考えられることが多く、まさに日々私達もそのために努力したり、成長を感じて喜んだり、幸せを感じたりしていると思います。

人に評価されたり認められると嬉しいし、認められたいと願うのは人の素直な欲求です。

こと仕事では定期的な面談が設定され、決められた目標への達成度が定量的なものから定性的なものまで上司からフィードバックがもらえます。最近では、上司のみではなく同僚や部下からの評価を得られることも少なくありません。

顧客やビジネスパートナーからの日常的な評価や売上といった数値で成果を目にすることの出来る人も多いでしょう。そもそも組織としては従業員の自己実現欲求を満たすことは、本人が自律的に考働すること(考えて働くこと)を意味し、生産性につながるので、組織全体でその後押しをするような仕組み仕掛けを整えようとしています。

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