はじめに
公営住宅は家賃の安さが最大の魅力
公営住宅に住む場合、一般的な賃貸住宅に住むよりも随分家賃が安くなります。入居者は原則として公募(抽選)で決められ、収入が一定の範囲内であることや住宅に困窮していることなどの申込資格を満たすことが必要となります。
大阪在住で、離婚後大阪府営住宅に住んでいる方は、「入居時に風呂釜や網戸は自分で購入しなければいけなかったけれど、家賃は月27,000円。少ない給与で生活できているのは府営住宅に住めたおかげ」と言っていました。
ただし、人気の場所や物件は申し込みをしてもなかなか当選しないというデメリットもあります。公営住宅については狭き門となるケースが多いですが、少しでも安く住まいを確保したいと思う場合は、是非申し込んでください。
10年間申し込み続けて、無事入居できたという方もいますし、「離婚前に当選して、離婚と同時に府営住宅に住むことができた」という方もいます。
正社員なら中古住宅を買う方法も
婚姻時の持ち家に住み続けるひとり親家庭の方もいますが、離婚後にマイホームを購入する方もいます。マイホーム購入のメリットは
・借入額によっては、住宅ローン減税があり税金が低くなる
・団体信用保険に加入すれば、生命保険代わりになる
などがあります。「正社員になったばかりで審査に通らないと思っていたけれど、問題なく無事通り、民間賃貸住宅の家賃よりも月3万円以上節約できた」というひとり親家庭の方もいます。
ひとり親家庭への住宅手当や補助
ひとり親家庭への住宅手当があることはご存じでしょうか?
たとえば、東京都東村山市や神奈川県鎌倉市は、各市内の民間の賃貸に住んでいるひとり親家庭に、山形県遊佐町は同町に在住のひとり親家庭に、月々の補助制度があります。
<東京都東村山市>
民間アパートに居住するひとり親家庭等(母子家庭や父子家庭等)に対し、家賃の一部を補助。
一世帯につき月額5,000円。所得制限あり。
<神奈川県鎌倉市>
民間の賃貸住宅にお住まいの母子・父子家庭等の方に、家賃の一部を助成。
月額最高8,000円。所得制限あり。
<山形県遊佐町>
ひとり親家庭等に対し、生活の安定及び自立を支援するため家賃の一部を助成。
月額最高10,000円。所得制限あり。
申込条件は、それぞれの自治体によって違いますので確認してみましょう。月額5,000円でも5年間にすると30万円にもなります。
このようにひとり親家庭に対する住居費の補助があるのはうれしい限りです。
また、DVなどの問題を抱えている母子には、保護するとともに支援してくれる「母子生活支援施設」があります(参考:内閣府男女共同参画局 配偶者からの暴力全般に関する相談窓口)。
ひとり親家庭が住まいを選ぶ際のポイントや事例をご紹介しましたが、住まいの費用が月々5,000円でも1万円でも安くなれば、お子さんの教育費等他の生活費に回すことができます。
少しでもお金にゆとりが生まれると、それだけでも安心に繋がります。お子さんと笑顔でいられる住まいを、是非見つけてください。