はじめに
靴についた砂や泥など、汚れの溜まりやすい玄関。きれいにしても、どうせすぐに汚れるからと掃除を後回しにする人も多いのではないでしょうか。
来客があるからと慌てて掃除をしても、表面を取り繕うだけで玄関の淀んだ臭いは残ったままかもしれません。
玄関掃除の基本的な手順から気になる臭い対策まで、家事代行サービス「カジタク」で予約半年待ちの人気スタッフに話を聞きました。
砂や泥だけではない、玄関の汚れ
屋外とドア一枚隔てただけの玄関には、毎日いろいろな汚れが入ってきます。靴と一緒に入ってくる砂や土埃だけでなく、雨の日は泥汚れ、車通りの多い大通りに面した玄関では排気ガスの汚れなどが溜まることもあるようです。
「もし、玄関のたたきに黒いラインのような汚れがあったら、それはゴム汚れかもしれません」と教えてくれたのは、整理収納アドバイザー1級を保有し、家事代行サービス「カジタク」で“片づけ名人”の異名をとる山口奈穂子さん。ゴム汚れは、革靴の底やストライダー、ラジコンのタイヤなどをこすったときにつくそうです。他に、住人の髪の毛や衣類からの糸くずも玄関でよく見かけるゴミのひとつ。玄関には、想像以上にさまざまな種類の汚れが集まっているのです。
玄関の掃除頻度はどれくらい?
毎日靴を脱ぎ履きし、部屋の中よりも汚れが蓄積しやすい玄関。できれば毎日掃除するのがベストですが、忙しくてなかなか難しいという人は「1週間に1度くらいを目安にするといいでしょう」と山口さん。
玄関全体を掃除するのが大変なときは、取っ手やドアノブだけでもこまめに拭いた方がいいといいます。毎日触れる場所だけに、外気や手垢で汚れが溜まりやすくなっているからです。
「最低でも1週間に1度、できれば気になったらその都度拭くことで気持ちいい玄関にすることができます。特に、海岸沿いに住んでいる人は潮風による腐食が心配なので頻繁に拭くことをおすすめします」
名人に聞く「掃除の手順」
一口に玄関といっても、石畳やタイル、クッションフロアなど、住居によって素材が異なります。間違ったやり方で掃除をすると、玄関に傷がつき、汚れが落ちにくくなることも。そこで、山口さんに、正しい掃除の手順について教えてもらいました。
1.掃除機でゴミや埃を回収
まず、掃除を始める前に、必ず傘立てや靴などをどかしましょう。ものを置いたまま掃除をすると、物陰にゴミが残り、せっかくきれいにしても、またすぐに汚れてしまいます。
玄関にものがなくなったら、掃除機でゴミを吸い取ります。埃が舞い上がることなくゴミを回収できるので、ほうきよりも掃除機がおすすめ。部屋に掃除機をかける時に、玄関のたたきまで一緒に掃除機をかけてしまうと楽ですよ。
この時に砂や土埃が残っていると、水拭きをするときに汚れが溶けてこびりついてしまうので、きちんと取り除いておくのが仕上がりをきれいにするポイント。
もし、ほうきを使用する場合は、ちりとりでこまめに回収しましょう。ほうきは適度なコシとしなりがあり、ブラシの密度が高いものを選ぶと、砂など粒の大きい汚れをしっかり取ることができます。
2.水拭きで汚れを落とす
次に、湿らせた雑巾で拭き上げます。拭いてもなかなか落ちない頑固な汚れは、スポンジに重曹をつけてこすると、とてもきれいになります。メラミンスポンジも使用可能ですが、クッションフロアを使用した玄関の場合は細かい傷がつくことがあり、そこに汚れが入り込むことで汚れがつきやすく、落ちにくくなってしまうことがあります。一度、目立たないところで試してから使用しましょう。
3.しっかり乾燥させる
掃除が終わった後の玄関はしっかりと自然乾燥をさせること。玄関が濡れたままの状態のところに足を踏み入れると、新しい汚れをこびりつかせてしまいます。もしもすぐに来客の予定がある場合は、乾いた雑巾で拭き上げておくとよいでしょう。