はじめに

「後輩におごる」は自己満足かも?

今のところ、ご相談者さんが大切にしたい支出は、後輩に「おごること」なのかもしれません。ただそれも、本当に後輩に喜ばれて励みにしてもらっているのか、単に都合よく使われているだけなのか、客観的に考えてみたほうが良いかもしれません。

以前お会いしたお客さんで、ご相談者さんと同じように「後輩には先輩にしてもらったようにしてあげなくてはいけない」と懸命に後輩におごっていた方は、ある日後輩が「誘われたら断るのが悪くて行っていたけれど、いつも帰りはタクシーだし支出が大変」と話しているのを聞いてしまったそうです。良かれと思っていたのに、結局負担に思われていたと落ち込んでいましたよ。そういうこともあるので、今自分がしていることが単なる自己満足に終わっていないかどうかも含め、客観的に考えてみましょう。

また、食費などの支出を下げることを考えてもよいかもしれません。年老いてから、外食や弁当暮らしをするのは、金銭的にも体調管理の意味でも大変でしょう。今から自炊の習慣をつけると、少し支出を減らせると思います。まずは自己投資として、炊飯器とお米を買ってみましょう。そして、自宅にいるときは米を炊き、おかずだけ購入する、ということをやってみましょう。やってみると、他の節約策も思いつくかもしれません。

スマホ代も使い方に合うプランに変更できると、今よりも安く使えるかもしれませんし、男性化粧品もあれこれ買わずに、なくなってから補充するような考えで買っていくと支出は減るでしょう。サプリも、全部飲んでいますか? 飲まないのに買っているサプリは、浪費です。

こう考えていくと、結構見直しができる支出は多く、きちんと行動していただければ、削減の効果が出そうです。これらのほかに、ご相談者さんにとっては一番大切かもしれない後輩との交際費も、一度見直してみてもよいかもしれません。もし減らせると、交通費も減らせるでしょう。「必要な飲み会」「参加しなくてもよい飲み会」と自分の中で線引きができるように参加する前に選択できるようにしていけるとよりよいですね。

頼れるのは自分だけ、意志を強く持って貯める

ご相談者さんは少々意志が弱く、情けにも弱い人に見受けます。きっと良い人なのでしょう。ですが、それだけではお金は貯まりません。自分軸をしっかり持ってお金を使うようにならなくてはいけません。

1人である程度収入があると、自由にお金を使えます。逆に、1人であるからこそ、これから先、頼れるのは自分だけです。自分のことは自分で責任を取っていかなくてはいけません。

不安もおありでしょうが、まだ40歳半ば。今から支出を減らし、貯蓄をしながらiDeCoやつみたてNISAといった長期的な運用をしていけば、老後資金を作っていけます。会社の退職金や公的年金だけでは、老後資金は不足します。準備することができるうちに「貯めなくては」と気が付いていただけたことは、非常に良いと思います。

貯蓄は、生活費の7.5ヵ月分ほどを目指して貯めていきましょう。積立投資は少額でもよいので少しずつ始めてください。長期的に運用できるほど、時間が味方をしてくれます。職場の環境をある程度維持しつつも、老後資金作りに向けて蓄えを増やしていけるよう願っております。

マネーフォワードと家計再生コンサルタント横山光昭により生まれたお金の相談窓口mirai talk。本気で家計改善から投資までを行いたい人のためのお金の相談窓口です。マネーフォワードの使い方ガイドがもらえる無料セミナーも随時開催中

この記事の感想を教えてください。