はじめに
かくれ資産の現金化手段
かくれ資産の現金化手段はフリマアプリだけでなく、リサイクルショップやオークションサイトなどもあります。
調査では、2017年の1年間で、それぞれの手段を使って不要品を処分して得た金額も尋ねています。その結果、リサイクルショップは平均2.2万円、フリマアプリは平均5.7万円、オークションサイトは平均7.3万円でした。
それぞれの手段によって、売られているモノの種類や利用者の年代の違いなどもあるかとは思いますが、事業者が一律で値段を定めるリサイクルショップに対して、自分で好きな値段を付けるフリマアプリ、欲しがっている人が競り合うオークションの順に、高値になる傾向があるようです。
お小遣い稼ぎだけじゃない価値
消費者がフリマアプリを利用する目的は、お小遣い稼ぎや節約などの経済的なメリットによるものという印象が強いかもしれませんが、実はそれだけではありません。
経済産業省の調査結果を見ると、フリマアプリでモノを売る理由の1位は、実は「捨てるのがもったいないから」です(図3)。
(資料)経済産業省「平成28年度電子商取引に関する市場調査」より作成
また、「物の有効活用をしたいから」も比較的上位に上がっています。不要品でも使えるものを捨てるのには罪悪感がある、自分がいらないものでも誰かの役に立てたらいい、という気持ちがあるのかもしれません。
一方、買う側の理由の1位は「安く買えるから」ですが、「掘り出し物があるから」「お店に売っていないものがあるから」も上位に並んでおり、フリマアプリならではのワクワク感が透けて見えます。消費者はフリマアプリに対して、経済的なメリット以外の価値も見出しているようです。
総務省「通信利用動向調査」によると、平成29年の最新値で、ついに60代前半の女性のスマートフォン保有率(57.3%)がガラケー所有率(40.9%)を上回りました。現在のところ、フリマアプリの利用は若い方が多いようですが、かくれ資産の多い高年齢層に広がる日も近いのではないでしょうか。