はじめに
「キミカネ」の次に手を伸ばしてほしいおすすめ本
――このマンガを読んで実際に経済に興味を持った人は次に何をすればいいでしょうか?
どこかの誰かが正しいことをやってくれるだろうと思ってずっと待っていても、自分の都合のいいように世の中が変わってくれるとは限らない。それでうまくいってしまう人もいるから、経済は面倒くさいのですが……。でも、とりあえず知識があると損する確率を下げることができます。
だから、まずは本を読んでみるといい。経済学についての最先端の研究は、一般人レベルでは手に負えません。でも、定番になっている本をむしゃむしゃ食べると栄養になります。
――具体的な本を教えてもらえますか?
まずは監修の飯田先生の本は、非常にわかりやすい。
あと、チャールズ・ウィーランの『MONEY もう一度学ぶお金のしくみ』(東洋館出版社)。これは連載二回目の時に出版されたのですが、『キミカネ』がいらないくらい同じことが書かれているので「しまった」と思ってしまったくらいです。
ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』もイーストプレスの『まんがで読破』シリーズから刊行されているものは、非常にわかりやすいです。
今や主流の一部になった行動経済学について知りたいなら、『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』(マガジンハウス)がおすすめ。行動経済学は、つまるところ人間というものは正しい行動をとるから設けられるわけではなく、常に間違うけれども、その間違え方に法則性があるらしい、ということを研究している学問ですが、この本がいちばんわかりやすい。
高校生以下の人ならば、まずは教科書を読むのがおすすめです。『キミカネ』を読んだ後なら、書いてある内容もよくわかるようになっていると思いますよ。
井上純一
1970年、宮崎県生まれ。TRPGデザイナー、イラストレーター、漫画家。玩具会社「銀十字社」代表取締役社長。著作に中国人妻との結婚生活をつづったコミックエッセイ『中国嫁日記』など。『キミのお金はどこに消えるのか』
少子高齢化、増税、終身雇用崩壊、弱者切り捨て…世の中不安なことばかり。ホントにこの国大丈夫か?それより自分の将来大丈夫か?と不安なあなた。日本は「当面」大丈夫!お金が回ればもっと大丈夫!笑いながら経済のキモがわかる、本邦初のエッセイコミック。