はじめに

BYDや吉利汽車が制度の恩恵を受ける見通し

ダブル・クレジット制度の中で、燃費基準の部分は2018年4月から、新エネルギー車生産の部分は2019年からそれぞれ正式に導入されました。

中国政府工信部が開示した各乗用車メーカーの点数(ダブル・クレジット)の獲得状況を見てみましょう。BYDや上海汽車集団、吉利汽車の子会社・グループ会社が多くの点数を獲得したのに対し、長安汽車や東風汽車、長城汽車などのメーカーがマイナスの点数となっています(下図)。

中国の乗用車メーカー別のダブル・クレジット獲得状況(2017年)

表中のデータは2017年のもので、新エネルギー車生産に関する点数の減算が行われていないため、今年から制度の完全導入が始まれば点数獲得数の上位メーカーと下位メーカーの差が更に拡大すると予想されます。

ダブル・クレジット制度の恩恵を受けるメーカーとしては、BYDと吉利汽車に注目したいと思います。この2社は新エネルギー車に注力しており、今後他のメーカーに対して新エネルギー車の点数を売却することで利益の計上が期待できるため、自動車販売全体が低迷する中で業界の勝ち組に浮上する可能性があります。

<文:市場情報部 アジア情報課 王曦>

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