はじめに

披露宴は今、どこで開催されている?

実際、一時期大ブームとなったゲストハウスウエディングやレストランウエディングですが、ここ数年は右肩下がりのようです。

図2

上のグラフは結婚情報誌「ゼクシィ」が年に1度発表している「ゼクシィ結婚トレンド調査」に掲載されている、2004年以降の挙式、披露宴・披露パーティの実施会場調査結果を集計したものです。

これを見ると、2005年頃にいったん下げ止まり、2012年頃から再び緩やかに減少してきているのがわかります。その意味では、ひらまつのウエディングレストランは健闘していたほうだったといえます。

グラフには入れませんでしたが、代わって増えているのがホテルのレストランです。

お金にシビアな世代が業界地図を塗り替えた

そもそも結婚適齢期の人のうち、結婚する人自体が激減しています。さらに、結婚する人の年齢層も2極化していて、30歳前後までに結婚する人は、さほど給与水準が高くないうえ、今後順調に上昇していく保証もないだけにお金にシビアです。

式や披露宴に呼ぶ友人に金銭的負担をかけないという配慮もあります。しかし、ゲストハウスやウエディングレストランの場合、式場は外部の施設を探さなければならなかったり、付帯しているチャペルが見劣りしたりします。

そこへ行くと、ホテルには立派なチャペルが付いています。宴会場を使う従来型のホテルウエディングは、今も昔も変わらず3割前後の人が安定的に利用している“鉄板会場”です。が、費用も高いですから、しっかりお金をかけられる人が選んでいます。

一方、ホテルのレストランだと、チャペルはホテルのものを利用できるうえ、披露宴にかける金額は宴会場よりもだいぶ抑えることができます。

ひらまつのレストランウエディングはひらまつの料理が出るので、当然、費用はホテル並みかそれ以上。それなら、ホテルの宴会場でやったほうがいいという判断に傾きやすいのでしょう。

間もなく終わるひらまつの2019年3月期は、台風や地震の影響で前半がだいぶ出遅れたうえ、周辺環境の変化を理由に、レストラン2店舗を閉鎖しましたので、店舗閉鎖関連の特別損失も発生しています。ホテルの収益で婚礼関連の減少分をカバーしてなお利益を出すまでには、もう少し時間がかかりそうです。

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