はじめに

カフェやレストランでよく出されるレモン水。口に含むとさわやかな香りが広がり、すっきりとした後味が印象的です。そんなレモン水をペットボトルで手軽に飲める、無糖フレーバーウォーター「い・ろ・は・す 天然水にれもん」が、日本コカ・コーラから4月15日に発売されます。

フレーバーウォーターといえば、フルーツの味や香りがする無色透明の飲料で、ジュースよりも糖分控えめなものの、ある程度は甘さがするものでした。しかし今回登場する商品には、糖分は一切含まれていません。

ここ数年「無糖飲料ブーム」が続いていますが、なぜフレーバーウォーターにも「無糖」の波が押し寄せてきたのでしょうか。その背景を探ります。


ただの水では物足りない人に

「厳選された日本の天然水にレモンをひと搾りした、ほのかに香るすっきりした味わいが特徴です。消費者に実際に飲んで評価していただきながら、人工的な味に感じないレモンのフレーバーの強さを実現しました」。マーケティング本部ウォーターグループの富重豪グループマネジャーは同製品についてこう語ります。

瀬戸内産レモンのエキスを使用。糖分ゼロで甘くないからゴクゴクと飲める「天然水」という位置づけです。飲用シーンとしては寝起きや運動後などを想定。容量550ミリリットルで希望小売価格は120円(税別)です。

「現行のフレーバーウォーターとはまったく異なる飲用者の獲得を狙う」と富重グループマネジャーが意気込むように、ほんのり甘いフレーバーウォーターとはターゲット層が異なります。「健康を考えて水はたくさん飲みたいけど、ただの水では物足りない、でも後味がすっきりしたものがほしい」という消費者の潜在的なニーズに応えたといいます。


既存のフレーバーウォーターとの違い

「天然水とフレーバーウォーターの重なり合いは非常に小さく、飲んでいるユーザーも異なります。天然水飲用者は日常的な水分補給でより品質の高い水を求めて購入しますが、フレーバーウォーター飲用者は何か甘いものを楽しみたいとき、炭酸飲料や果汁飲料ではなく、少しでも健康に配慮したものを手に取りたくてチョイスします。今回、新セグメントを創造していきたいということで、天然水にフレーバーを加えることで、今までにない天然水の楽しみ方を提案していきます」(富重グループマネジャー)

2010年から同社が「い・ろ・は・す」ブランドで展開する「もも」「みかん」「なし」などのフレーバーウォーターは、炭酸飲料や果汁飲料からのシフトを狙った商品でした。「ジュースよりもヘルシーなものがあったらうれしいという消費者に向けた商品」で、ラベルの原材料名にも「糖類(果糖、砂糖)」と表示があります。

しかし「少しでも甘さが入ると無糖のものとはまったく違う製品になる。ちょっとでも甘さがあると手に取らなくなるのが天然水側のユーザー」(同)だといいます。

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