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紙幣刷新は“中長期で”日経平均にポジティブに働くのか

過去3回を検証してみた

紙幣刷新のプラス影響は短期どまり

図1には、今回の動きも加えました。発表が4月9日ですから、前日の8日の日経平均を基準としました。

図1

過去3回の傾向は20立会日(約1ヵ月)後までは、相場はある程度は底堅く推移したようです。しかし21立会日以降で見ると、2002年の発表後の株価は下落しました。前年9月に米国で起こった同時多発テロの影響で米国景気が後退してしまい、日本経済や日本株もこの影響を大きく受けたからです。

発表による相場全体のポジティブな影響は数ヵ月の期間では、あまり明確ではなかったようです。

関連銘柄の値動きはどうなのか

ところで、紙幣刷新といえば、そのメリットを受ける業界が市場で注目されています。現金自動預払機(ATM)や自動販売機、両替機のメーカーは、紙幣刷新の対応面での需要が期待されます。実際に9日の報道に株価が反応した企業も見られました。

そこで、前回の2004年の紙幣刷新に向けた2002年8月の報道後、これらの業界の銘柄の株価がどのように推移したかを調べました。

対象とする銘柄はATM、自動販売機、両替機のメーカーとして恩恵が期待されている企業で、日本自動販売システム工業会の会員でもある企業のうち、企業規模が特に大きくない7社、具体的には日本金銭機械(証券コード:6418)、高見沢サイバネティックス(6424)、オーイズミ(6428)、グローリー(6457)、日本信号(6741)、ムサシ(7521)、マミヤ・オーピー(7991)を用いました。

そして、発表前月末の2002年7月末を基準に、その後の株式収益率が平均的にどのように推移するかを見ています。具体的には、これらの7社に同額ずつ合計100万円投資した場合を調べています。

どんな投資スタンスは向いている?

念のためですが、本来は紙幣刷新がどのような経路で企業の売り上げに反映されるか、そして利益がどの程度押し上げられるかを考えなければなりません。今回の分析はあくまでも市場で注目された企業を用いたもので、紙幣刷新で本当に期待される銘柄とは限らないことには注意が必要です。

図2

図2の青い線(累積株式収益率)がその結果です。また、株式相場全体の動きと比較して相場全体と比較した動きを累積超過収益率で示しました(緑のグラフ)。

発表後の累積超過収益率(緑のグラフ)は2ヵ月程度上昇しました。これは市場での短期的な期待が背後にあるとみられます。そして、紙幣刷新による利益への寄与が見えてきてから、株価は長期的な上昇トレンド入りしたことが注目されます。

今回の紙幣刷新にあたっても、関連銘柄の取引は短期的な視点ではなく、中長期の保有スタンスで臨むべきだと考えられます。

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