はじめに
東京・新宿区内のローソンを先日訪れた際、見慣れないパッケージデザインのカップ麺が筆者の目に飛び込んできました。インドネシアのメーカーが発売したカップ麺のようで、値札には英語、中国語、日本語の3ヵ国語で「ハラール ミースダップカップ麺」と表記されています。
カップ麺が置かれたその一角は、輸入食品ばかりを集めた棚。新宿区は在留外国人向けのアジア食材の専門店が多くありますが、その波がコンビニにも押し寄せてきたのでしょうか。なぜローソンの一部店舗で輸入食品を販売するようになったのか、その背景を探ります。
ハラールカップ麺を食べてみた
ハラール対応のカップ麺が置かれていたローソンの棚には、中国食品や韓国食品もありました。ローソンの広報担当者に取材すると、2018年8月から新宿区と中野区の約60店舗で韓国食品の販売を開始。同年10月から中国食品の販売も始めたといいます。
商品ラインナップは、韓国食品10種類、中国食品5種類、ハラールフード4種。中国食品で最も売れているのは「ココナッツジュース」(188円、税込み、以下同)、韓国食品でよく売れているのが「カルボブルダック炒め麺」(307円)と「とうもろこしのひげ茶」(145円)です。
「ハラール ミースダップカップ麺」ソトミー味(チキン野菜味)を買って食べてみました。作り方は日本のカップ麺と同じで、乾燥野菜や粉スープなどを開封して熱湯を注ぎます。
ローソンに並ぶハラール対応のカップ麺
フタを開けたときに立ちのぼるエスニックなレモングラスの香りが印象的です。スープの味付けは意外にもあっさりで、凝縮されたタマネギの旨味を感じられます。
新宿区住民の12%は外国人
同社がこうした輸入食品の扱いを始めた経緯は「在留外国人の方に向けた商品を品ぞろえをしてはどうかとのアイデアが店舗のオーナーから上がったのがきっかけ」と広報担当者が明かします。
約4万2,000人の外国人が暮らす新宿区は、外国人の割合が12%を超えており、東京23区でトップの水準です。そうした背景もあり、今回の取り組みにつながったと説明します。日本に住む外国人に向けて、ローソンブランドの認知を高める狙いもあるといいます。
輸入食品の取り扱いは、今年の5月から杉並区の約20店舗にも拡大予定。6月以降は豊島区、台東区などにも対象を広げ、8月末までに約130店舗規模になる予定です。