はじめに

男性育休の特別制度 母親との連携で家計負担を軽減

男性の育休には2つの特別な制度があります。両親共働きの場合、この制度を利用することで家計全体の収入減少を最小限に抑えることができますので、積極的に活用していきましょう。

<男性育休の特別制度>
パパ休暇…子どもの誕生後8週間以内に育休を取得した男性は再度育休を取得できる制度
パパ・ママ育休プラス…両親とも育休を取得する場合、子どもが1歳2カ月(一定条件を満たすと最長2歳)まで育休を取得できる制度

パパ休暇を活用することで、たとえば一度目の育休で出産直後の育児を夫婦2人体制で行い、二度目の育休では母親と育児を交代して母親の職場復帰を早めるなど、選択肢を広げることができます。

また、パパ・ママ育休プラス制度を活用して両親それぞれが6カ月ずつ育休を取得すれば、育児休業給付金の支給率が67%のまま子どもが1歳2カ月になるまで過ごすことができます。

「ボーナス減収」と「給付金上限額」に注意!

育児休業給付金により月収の補てんはできますが、ボーナス分は大きく減収となるため注意が必要です。育休を取得することでボーナスの評価や支給有無に影響する場合は、その分を覚悟して事前に貯金などで備えておく必要があります。

また、育児休業給付金の支給額には上限が設けられているため、月収が高い人は育休前に確認しておきましょう。平成30年8月1日現在では、賃金月額が44万9,700円を超えていると育児休業給付金の支給額は上限額までとなります。この上限額は毎年8月に見直されます。

<1カ月あたりの育児休業給付金の支給上限額>(平成30年8月1日現在)
受給開始日から6カ月間(67%)…30万1,299円
7カ月目以降(50%)…22万4,850円

育休中の就労による減収カバーも一案

育休中の収入減少をカバーするためには「育休中に働く」という選択肢もあります。実は一定条件を満たすことで育児休業給付金を受給しながら働くことができるのです。

<育児休業給付金の支給条件>
・就業日数がひと月に10日以内(10日を超える場合は就業時間が80時間以内)
・ひと月の賃金が育休取得前の賃金の80%未満

ただし、「ひと月の賃金と給付金の合計額」が「給付金の上限額」を超える場合には、超えた分だけ給付金が減額されるので注意が必要です。また、定期的な就労は育休とみなされない可能性があるので、あくまでも一時的な働き方に抑えるようにしましょう。想定外のトラブルを招かないためにも、働く前に勤務先に確認することも大切です。

育休を活用して夫婦ともに育児を楽しもう

このように、男性でも育休の取り方を工夫することで家計への影響を少なくすることができます。育児休業給付金や社会保険料、税金などの制度をよく理解し、夫婦で力を合わせて上手に育休を活用しましょう。

育休を取得するためには、仕事の調整や職場への説得など、家計のこと以外にもクリアしなければならない問題は山積みでしょう。それでも、「育児」という限られた時期にしか経験できない貴重な体験をするために、頑張ってみてはいかがでしょうか。

この記事の感想を教えてください。