はじめに
高度経済成長期は「モノを所有する」ということがステータスであり、幸せと考える人が多くいる時代でした。しかし最近では、モノを所有することの価値が見直され、「ミニマリスト」という言葉が流行るようになりました。こうした流れの中で、「必要なモノを必要な時だけ借りる」というレンタルサービスも増えてきました。
モノに対する価値観が変化する中、いつの時代も普遍的な真理があります。それは「デキる人ほど“手で触れられない無形のモノ”にお金を使う」ということです。
デキる人ほど無形のものを買う
お金持ちの世界だけでなく、デキる人、結果を出せる人ほど、無形のモノにお金を投じています。「お金の出費は何が何でも避けたい!」と思ってしまい、何もかも自分でやろうとする人がいますが、そうした人はトータルで見て損をしてしまいます。
たとえば、難関資格の勉強をする時に、本を買ってすべてを独学で済ませようという人がいます。確かにそれで成功することができれば、テキスト代という出費だけで済みます。
しかし、難関資格の出題範囲のすべてを自分一人で開拓するのは、至難の業です。合格に直結しない部分まで勉強してしまっては時間もかかりますし、よしんば合格できれば救われますが、合格できない可能性もあります。
資格を取得できれば、すぐにでも資格取得に要する費用を回収できるのに何回も受験し、落ちることを繰り返してしまうと、本来は実現できていた収入アップにもならないわけです。
資格のスクールは、本質的には「情報」という無形の資産を買いに行く場所です。私も昔、米国公認会計士(USPCA)の資格を取得するために、ビジネススクールに通いました。そこでは、出題される問題を網羅したテキストや、くわしい解説、落としてはいけない問題、落としても良い問題などを教えてもらうことができました。
これはすでに資格を取得し、試験のことを熟知している講師だからこそ、教えてもらえることです。これをゼロから勉強するのでは、何倍の時間がかかるのか、わかったものではありません。
情報と水は上から下へと流れていく
情報と水は上から下へと流れていくものです。上から下へと流れる滝はあっても、下から上へと流れる滝は世の中にありません。情報も同じです。情報には「1次情報」といって、その人の考え、感じたこと、発言といった生の情報があり、それをメディアなどが報道するのが2次情報です。
さらに、その2次情報を引用するのが3次情報という流れになっており、下へ行くほど情報の価値はなくなります。いうまでもなく、最も重要なのは1次情報なのです。
そんな価値ある1次情報に触れられるかどうか。これだけでお金になってしまう世界があります。
1次情報を持っているのは「人」です。1次情報であるがゆえに、インターネットで検索しても出てくることはなく、ネットで出てくる段階ではすでに2次情報、3次情報になってしまいます。