はじめに

大事なのは「緊急度が低い×重要度が高い」箱に何があるか

一方で残りの三つの箱の中にあるものはどうでしょう。

人間、重要ではないけれども緊急度が高いことをちゃっちゃとやっつけたほうが(図の2)「スッキリ感」というものは得られます。またはタスクの完了を待っている人がいるという理由で緊急度が高くなっている作業があれば、それが終わった時には依頼者から感謝されるという形で快感を得られることもあるでしょう。

もしくは、得意な作業だからという理由で「重要度も緊急性も低い」ことに時間を費やすことだってあります。(図の4)

では、最後に残った「緊急性が低く重要度が高い」(図の3)にはどういうものが入っているでしょう。

定期的な健康診断のアポ取り、銀行口座で眠っている資産の積極的運用、共同創業者の間、または家族内でのコミュニケーション不足・意識のずれに向き合うということ。本来重要なものなのですが、多くの優先タスクが飛び交う忙しい日々において、ズルズルと後回しにされやすいトピックです。

忙しい日々を送っていると、自分の時間がどの箱の中で主に費やされているかを考える暇なく時間が流れていきがちです。

意識を向けることから始まる最初の一歩

そこで、まず最初の一歩として、このマトリックスを使いながら、定期的に意識を向けてみる習慣を取り入れてみたらどうでしょう。想定していた「自分への投資」のイメージとは異なるかもしれないですが、まずは無理のない範囲で始めることがポイントです。

筋肉のトレーニングと一緒で、意識を向けているか向けていないかが中長期的に大きな違いを生む可能性もあると思います。また、意識を向けるだけだとそこまで強い意志力といったものは特に必要ありません。

「自分の時間の使い方の振り返り」のステップ

  1. 1週単位くらいで、このマトリックスに照らし合わせて自分の時間の使い方を振り返る
  2. 「緊急性が低く重要度が高い」箱にあったものにどのくらいの時間を割けたかを振り返る
  3. 「未来の自分への投資」に関わるものはどの箱に入っていたかを考えてみる(またはどこにも入っていなかったという気づきでもOK)
  4. 2と3を踏まえ、自分がどういう気持ちか、何が頭をよぎるかに意識を向けてみる

特に何も感じない日もあるかもしれませんし、満足のいく時間の使い方をした、と思う日もあるかもしれません。理想と違いすぎる時間の使い方をした、と落ち込む日もあるかもしれません。

重要なのは、無理やり行動を変えなきゃと自分にプレッシャーをかけるのではなく、定期的に自分の時間の使い方に意識を向けて、それを振り返ったときの心と頭の声に耳を傾けること。

それが「ぼんやりとした気持ち」を「具体的な行動、特に持続性のあるアクションにつなげること」の最初の一歩だと感じます。

次回以降は、同じ「自分への投資」というテーマにおける「周りの人」の重要性について紹介できればと思います。

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