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10連休後の株式市場で米中摩擦“以外に”警戒すべきは?

消費の反動減で明暗が分かれるリスク

長かった10連休明けの日経平均株価は、2日間(5月7日、8日)合計で650円を超す下落でスタートしました。

最大の要因は、米国政府が中国製品に対する関税引き上げを表明したことで、米中通商協議の合意への期待が再び警戒感に変わり、米国株安と円高になったことでしょう。ほかにも、イラン問題やトルコ、北朝鮮など、各地の地政学リスクも再びくすぶり始めています。

しかし、実はそれ以外にも気を付けておきたいことがあります。10連休後の消費反動減リスクです。


人出も売り上げも「前年超え」「大幅増」

今年は過去最長の10連休に新天皇即位の祝賀ムードも加わり、日本各地は大賑わいでした。

JR各社の新幹線や特急列車、航空各社の国内線などの利用者数は軒並み前年同期比2ケタ増。高速道路の交通量も2ケタ増。観光地では旅行者数が2ケタ増どころか5割増、7割増など大幅に増加したところもあったようです。海外旅行客も大幅に増えて、成田国際空港の1日当たり出入国者数は過去最高を更新したそうです。

消費面では、旅行業界やレジャー施設はもちろんのこと、百貨店大手4社合計の売上高も前年同期比プラスでしたし、家電量販店や外食大手なども活況だったようです。「前年超え」「大幅増」の事例は、探せばたくさんあるのではないでしょうか。

いつもより財布のヒモは堅いかも

国内消費を考えた場合、この「前年超え」には落とし穴があるかもしれません。

総務省のまとめた「家計調査」によると、最新2月の勤労者世帯の実収入は、季節調整値、変動調整値の前年同月比で名目0.3%、実質0.1%しか増えていません。年間ベースでも2016~2018年は0.2~1.3%とあまり増えてはいません。

そしてそもそも、日本は人口が減っています。日本全体の実収入は「人数×1人・1世帯当たり収入額」ですから、全体額はほとんど増えていないでしょう。

収入があまり増えていないのに、「いつもの連休よりも旅行や観光で多く使った」としたら、その後はどうなるでしょう。しばらくは消費を抑えて家計のバランスを取ろうとする人が多いのではないでしょうか。「連休消費後の反動減」は、例年より大きくなる可能性が高いと考えられます。

反動減の影響は増税後より大きい?

今年は10月に消費税引き上げが控えており、駆け込み需要への期待と引き上げ後の反動減への懸念があります。しかし、引き上げ幅は8%から10%へのわずか2%。しかも、政府がいくつかの対策を講じる予定です。

一方の今回の消費増加額は「いつもの連休の2%増」より多くなった可能性が高いです。政府の対策もありません。ということは、反動減も消費税引き上げ後よりも大きくなってもおかしくないのです。

「インバウンド消費があるじゃないか」という意見もあるかもしれません。2018年の訪日外客数は3,119万人ですが、1ヵ月当たりだと直近3月で276万人です。1億2,000万人を超える国内人口全体と比べると、多くはありません。

また、訪日外国人旅行消費額は約4.5兆円(2018年)ですが、国内総生産(GDP)における家計最終消費支出は、直近の2018年10~12月期の季節調整値で年間292兆円(実質。名目では298兆円)です。国内消費全体の1.5%にしかなりません。

しかも、連休は1年365日のうちの10日間です。仮に連休中のインバウンド消費が10%増えても、大きなインパクトにはならないような気がします。

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