はじめに

もっとも大事な第一印象

お客様との信頼関係を盤石にするために、もっとも意識すべきなのは第三印象です。第一印象と第二印象もいいに越したことはありませんが、それらがよくても第三印象が悪い場合、ギャップが大きくなり、相手を失望させます。

「身だしなみもきちんとしていたし、商談時の受け答えもしっかしていたけれど、いざ仕事を依頼してみると、やるべきことを全然やらない」といったマイナスの評価をされてしまいます。そして、「やるべきことを全然やらない営業」「やることが遅い営業」といった不名誉なレッテルを貼られてしまうのです。

反対に、第一印象と第二印象が悪くても、第三印象がよければ、いくらでも挽回することができます。

「最初に会ったときはとても地味な印象を受けたけれど、実際は違った。意外と努力しているし、愚痴もこぼさずコツコツ継続してスピーディーに対応してくれる営業だ」

このように「好印象」を与えることができます。不器用な人ほど地道ながんばりが評価されたときにギャップが働き、第三印象がよくなります。

理想はすべての印象をよくすることです。しかし、もっとも大事なのは、第三印象なのです。

言葉だけではコミュニケーションできない

Q. 「もっと表情豊かにお客様に接しようよ」といわれます。笑顔でいればいいというものでもないと思うのですが……。

A. 表情を意識した「非言語コミュニケーション」は大事です。

コミュニケーションには、言葉を使う「言語コミュニケーション」と、言葉以外の伝達手段を用いた「非言語コミュニケーション」があります。

言語コミュニケーション……話す言葉の内容、手話、筆談など。抽象的・論理的表現に優れている。

非言語コミュニケーション……身振り、手振り、表情、声のトーン、見た目、印象など。対人関係において、感情、態度、パーソナリティなどの情報を伝達する際には、言語コミュニケーションより、非言語コミュニケーションのほうが多くの情報を与えることができる。

福岡県に、博多明太子を販売する「ふくや」という会社があります。福岡県内に多くの店舗を持っているのですが、同社が行なっている顧客アンケートで、とても興味深い結果が出ています。それは、お客様に店員の「接客態度」に加え、「商品の味はどうだったのか」「値段は適正か」というアンケートでした。

その結果は、「店員の接客態度がいい」と答えた人は、ほぼ100%「味もよく、価格は適正」とも回答し、「価格が高い」という回答をしたお客様は1人もいなかったということです。ところが、「店員の接客態度がよくない」と答えた人の大多数が、「味がよくない、価格が高い」と回答したそうです。商品はまったく一緒なのに、店員の接客態度によって味が変わってしまう、価格に対する印象が変わってしまうというのです。

これを受けて、同社は徹底的に社員教育をして業績を上げていきました。接客態度をよくすることで、お客様の満足度を上げていき、結果として売上も上がっていったという素晴らしい事例です。

接客態度というのは、まさに非言語コミュニケーションの集積です。お客様が質問したいときに、「店員同士でしゃべっている」「やる気がなさそう」「挨拶に元気がない」ではいけません。明るく、健康的で、何でも聞いてくださいといった、気持ちのいい接客が大事です。

この非言語コミュニケーションは、表情、姿勢、語調、声のリズム、行動の量とスピードなど、多岐にわたります。このなかで、もっともインパクトが大きいのが、「表情」です。営業として、戦略的に表情を切り替えられるスキルをまず身につけましょう。

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