はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、住宅ローン減税が終了する際に一括繰上返済を計画していた夫婦。けれど、妻がフリーランスに転向したことで収入が減少。今の家計状況で、このまま一括繰上返済をしても問題はないのでしょうか。FPのたけやきみこ氏がお答えします。

3年前に新築マンションを購入しました。住宅ローンを35年返済で組んだものの、購入時は妻である私も正社員として働いていたため、お金に余裕があり、住宅ローン減税が終わる10年後に、住宅ローンを一括で繰上返済しようと計画していました。そのため10年の期間固定優遇金利でローンを借りました。11年目から変動金利になるタイプです。しかし、諸事情により、私は昨年会社を辞めてフリーランスのライターになりました。その結果、私の収入が月10万円以上下がることになりました。それでも子供がいない(今後も予定はありません)ため、毎月の生活には余裕がありますが、さすがに当初計画していた10年でローン完済は難しいかなという状況です。けれど夫は、絶対に住宅ローン減税の終了とともに繰り上げ返済で完済すると言って聞きません。あと7年で残り3100万円ものローンを返済することができるのか不安ですし、私としてはそんなに無理する必要はないのではないかと思っています。団信に入っていれば安心感もありますし。


そこで、お聞きしたいのですが、今の我が家の家計状況で、夫の言う通りあと7年で住宅ローンを完済できるのでしょうか? そして、繰上返済するメリットはどれだけあるのでしょうか? また今の家計で無駄な出費があれば教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。


〈相談者プロフィール〉
・女性、38歳、既婚(夫:40歳、会社員)、子供なし
・職業:フリーランス
・居住形態:持ち家(マンション)
・毎月の世帯の手取り金額:44万円
(夫:34万円、妻:10万円ほど)
・年間の世帯の手取りボーナス額:80万円(夫)
・毎月の世帯の支出目安:27.8万円


【支出の内訳】
・住居費:11万円(管理費込み)
・食費:3万円
・水道光熱費:2万円
・教育費:なし
・保険料:4万円
・通信費:0.8万円
・車両費:なし
・お小遣い:4万円
・その他:3万円


【資産状況】
・毎月の貯蓄額:16万円
・現在の貯蓄総額:2100万円
・現在の投資総額:なし
・現在の負債総額:3100万円
(住宅ローン:物件購入額3800万円、借入額3400万円、金利0.5%、返済期間35年、残債3100万円)


たけや: 新しいマイホームでの暮らしは快適でしょう。住宅ローンを早く返済してしまいたいという心情は理解できます。不要な利息は払いたくないものですね。ご相談者様からの、一括繰上返済は可能か、またそのメリット、そのほか気になった点について回答させていただきます。

一括繰上返済のメリットは?

住宅ローン減税の恩恵が終わる11年目を迎えたら、その後は変動金利への切り替えもあることから、一括繰上返済をされるというプランです。

現在3100万円のローン残高は、住居費11万円のうち毎月の返済額を約9万円(このほかに管理費等2万円)とした場合に、7年後には約2500万円になっていると考えられます。ここで一括繰上返済をした場合は、約159万円の利息を節約できる効果が期待できます。この数字は、金利の条件が現状ではわかりませんので、0.5%で試算をしました。金利がこれよりも高ければ、節約が期待できる利息も多くなります。

※試算結果の数字はあくまでも目安であり、実際の数値と等しくなるわけではありません。

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