はじめに

転職を視野に、自分の時給単価を上げることも考えて

固定費にメスを入れたら、次は食費や被服費など、月によって額が変わる変動費にメスをいれます。ご相談者さんの場合、ご自身でも自覚されている通り、食費が突出して高いといえます。

一般的には、家計に占める食費の理想の割合は、全体の15%程度といわれています。ご相談者さんのケースでこれに当てはめると、毎月3万4500円となり、現在の食費8万円から4万5000円も節約する必要があるわけです。

とはいえ、現状、お仕事がハードなため、コンビニを利用する頻度が多く食費がかさんでいるとのこと。となると、毎月の食費をざっくりと減らすためには、仕事も含めた全体的なライフスタイルの見直しが必要になります。今の仕事のままでは、自炊をして食費を節約するといってもなかなか難しいでしょう。

転職を視野に入れてみるのもひとつの方法です。お給料を上げるためには、自分の時間単価をあげる必要がありますが、一度、今の自分の時給はどれくらいなのか、計算してみましょう。自分の時給は、お給料を月平均の所定労働時間で割って求めることができます。例えば、月平均の所定労働時間が180時間だとすると、23万円÷180時間=1277円ということになります。

このように、月給を時間単価あたりにした自分の時給を知ることで、今の働きが正当なのかどうか、自分の能力がどれくらいなのかを知ることができます。時給を上げることを意識すれば、今よりもお給料が高く、生活に余裕がもてる仕事につける可能性は高くなります。

生活防衛資金を貯めつつ、老後資金の準備も!

ひとまず、ご相談者さんの今後の目標としては、まずは、病気やケガなどで、働けなくなくなったときに備えて、生活費の半年から1年程度は貯蓄したいところです。

それに加えて、独身ということもあり(もちろん、今後結婚する可能性もあると思いますが)、老後に向けて貯蓄していきましょう。ひとまず、現在の年金制度が続くと仮定すると、一般的に定年退職を迎えるとされる65歳までに、独身の場合、衣食住の基本生活、かつ、持ち家を前提とした場合の生活費として、1800万円程度貯めておくと安心といわれています。

この金額をコツコツと貯蓄で貯めていくとなると、かなり厳しいので、投資信託の積立などを活用して積極的に増やしていくことを検討しましょう。仮に毎月2万円を5%の利回りの商品で30年間積み立てると、約1660万円になります。準備しておきたい老後資金の金額にぐっと近づきますね。

ですから、老後資金の積立資金として2万~3万円捻出できるようにしたいもの。上記でお伝えした固定費の見直しや食費を改善できれば、捻出できる金額でしょう。その他の項目についても無駄遣いがないかどうか、1ヵ月でも良いので、支出を記録してみましょう。削減できるところが見つかるかもしれません。

また、貯蓄の金額も増やしていくことが大切なので、ボーナスも有効に貯蓄したいですね。毎年ボーナスの半額は貯蓄しましょう。まずは、支出の分析など、できるところから早めにやってみてくださいね。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

この記事の感想を教えてください。