生活

家計管理のコツは「コントロールすべき支出」を見極めること

FPの家計相談シリーズ

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、思うように貯蓄ができないという35歳の共働き主婦。貯蓄目標額を決め、支出予算を組んで計画的に貯めていこうとしますが、その通りにいかないため悩んでいるといいます。FPの平野泰嗣氏がお答えします。

夫婦共働きです。子どもが小学校に上がったので、ようやく落ち着いて家計を見ることができるようになりました。これまで、漠然とお金を使ったり、貯めたりしてきましたが、夫と「これからしっかり家計管理をしなくてはね」と話し合いをしました。2年前に35年の住宅ローンを組んだので、できるだけ早く完済したいと思っています。また、子どもの教育費や老後に備えて、しっかり貯蓄をしたいと考えています。ただ、これまでの家計状況をベースに貯蓄目標を設定し、支出の予算をつくりましたが、なかなか思うように管理ができず、貯蓄目標を達成できそうにありません。家計管理のコツを教えてください。


<相談者プロフィール>
・女性、35歳、既婚(夫:37歳・会社員)
・職業:会社員
・子ども(1人):長男7歳(小学校)
・手取り世帯月収:46万円(世帯年収860万円)
 (夫:26万円、妻:20万円)
・手取り年間ボーナス:約140万円
・貯金:600万円


【毎月の支出予算】
・住居費:11万円(ローン、管理費込み)
・食費:7万円
・水道光熱費:2万円
・日用雑貨・被服費:2万円
・通信費:3万円(NHK含む)
・教育費:3万円(教材・習い事)
・小遣い:8万円(夫4万円、妻4万円)
・保険料:3万円(学資保険1.5万円を含む)
・その他:2万円(雑費・レジャー)
・毎月の目標貯蓄額:5万円(なかなか思うように貯金できない)
【ボーナス時の支出予算】
・ボーナスの使い道:家族旅行(20万円)、まとまった買い物(10万円)、貯金目標(90万円)
【年間貯蓄目標】
・150万円(給与時60万円、ボーナス時90万円)


平野: 相談者様のように貯蓄目標を立て、支出予算をつくっても、思うように貯蓄ができないと悩んでいる方が多いです。そこで今回は、貯蓄目標を達成するための家計管理のコツを紹介します。

高すぎる貯蓄目標はNG、統計データを参考に

相談者様は、貯蓄目標を設定し、支出予算を作られたということなので、まずは、素晴らしい取り組みだと感心しました。

これまでの家計状況をベースに目標を設定したとのことですが、一般的に、目標を設定するときには、一番支出の少なかった月を基準にして高い目標を設定してしまう傾向があるので、本当に実現可能かどうか、数ヵ月分の家計を今一度振り返ってみましょう。

支出予算を作る際に参考になるのが、総務省がまとめている「全国消費実態調査」や「家計調査」などの統計データです。家計の支出は、世帯年収や家族構成(人数や年齢)によって変わります。自分の世帯年収や家族構成に近い家計状況(統計データ)と、貯蓄目標と支出予算に大きな食い違いがないかをチェックしてみると良いでしょう。

グラフ1

<平成26年全国消費実態調査のデータをもとに筆者作成>

上のグラフは、相談者様の世帯年収・家族構成(世帯人員3名、世帯年収800~1000万円)の毎月の家計収支を、平成26年全国消費実態調査のデータ(一部、修正・再計算している)を参考にして、比較したものです。居住地域によって、住居費の水準が異なったり、自動車を保有(通信・交通費に含まれる)しているかどうかによって、支出構成は異なりますが、食費や水道光熱費、家具・家事用品、被服費などの支出は参考になります。

相談者様は、統計データの比較世帯と手取りがほぼ同じであるのに対し、月収支が比較世帯よりも約2万円多い予算を組んでいることになっています。大きな食い違いとは言えませんが、例えば、保険医療費関連の支出予算が組まれていなかったり、被服費・日用雑貨の区分けが曖昧であったり、統計データと比較すると抜けや漏れがあります。被服費と日用雑貨を区分けすると、平均的な支出よりも少ない支出予算となっています。これらの支出項目が、毎月の支出が予算内に収まらない原因ではないかと思います。

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