はじめに

各社が脱プラに血道を上げるワケ

ただ、スーパーが自宅や職場などの生活圏での利用が多いのに対し、コンビニは旅行先など広い範囲の立ち寄り先で利用するため、有料化の理解を得るにはハードルが高い面もあります。イオン広報部は「コンビニはスーパーと比べ、衝動的な購買行動が多い場所。マイバッグの携帯を推奨するなど、理解を促す運動も進めたい」と話しています。

セブン-イレブンを展開するセブン&アイ・ホールディングスも、2030年をメドにプラスチック製レジ袋を全廃する方針を発表しています。4月から横浜市内の店舗で紙袋を試験的に導入しています。紙袋の使い勝手や来店客の反応を見ながら、代替品の検討を進めます。

コンビニ各社がレジ袋の有料化を検討する背景には、環境省が進めるプラスチックの削減戦略があります。生態系に影響を及ぼすとされる海洋プラスチックが世界的な問題になっている中、同省は使い捨てプラスチックを2030年までに25%減らす目標を掲げています。

この削減戦略には、スーパーやコンビニエンスストアといった小売店のレジ袋有料化の義務付けも盛り込まれています。大手コンビニ2社が有料化に舵を切ったことで、他のコンビニも追随することが予想されます。

ローソン、ファミマの状況は?

商品に使われるプラスチック量自体を減らすコンビニも増えてきました。ローソンは、関東の一部店舗でテイクアウトのアイスコーヒーのカップをプラスチックから紙製に変更しています。夏までに全国約1万4,000店に広げる計画で、年間でプラスチックの使用量を約540トン削減できる見込みです。

ファミリーマートは、弁当やサラダを入れる容器の種類を絞り込み、プラスチックの排出量を減らしています。以前は商品のコンセプトごとに容器を作り、商品の販売が終わると容器も廃棄していたため、無駄なプラスチックを使っていました。

2017年度に293種類あった容器を、2018年度には前期比27%減の214種類に絞り込み、40%のプラスチック削減につなげました。2019年度には、容器をさらに180種類まで減らす計画です。

民間の調査会社が消費者に行った意識調査では、コンビニでレジ袋や箸やフォークを確認せずに提供するサービスについて「過剰」と感じる人が6割以上に上っています。日本は1人当たりのプラスチック使用量が米国に次いで世界で2番目に多い国。私たち消費者も、これまで当たり前と考えてきたサービスを見直す時期なのかもしれません。

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