はじめに
6月に入って、今週から4月入社の新入社員が現場に配属されている企業も少なくないのではないでしょうか。受け入れる側の上司や先輩社員は毎年、どんな新人がやってくるのか、どうやって接すれば早く職場になじんでくれるのか、頭を悩ませる時期です。
傾向として、2019年の新卒社員はどんな特徴を備えているのでしょうか。そして、どのように接すれば、早期に十分なパフォーマンスを発揮してくれるのでしょうか。2010年から新入社員の意識調査を実施しているリクルートマネジメントソリューションズ(RMS)の最新調査結果を深掘りしてみます。
19新卒が持つ3つの傾向
今年3~4月にRMSが実施した新入社員導入研修の受講者1,178人を対象にした最新の意識調査では、5つの質問について、当てはまる選択肢を最大3つまで選ぶ形式で回答を集めました。
まず「働くうえで大切にしたいこと」という質問では、昨年まで不動の1位だった「社会人としてのルール・マナーを身につけること」がトップから陥落。代わって「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」が首位に立ちました。
「働くうえで大切にしたいこと」の集計結果
また、「仕事で高い成果を出すこと」が、10年前との比較で5.1ポイントアップの19.1%と、過去最高を記録。その一方で、「何があってもあきらめずやりきること」は同じ比較で6.8ポイントダウンの17.2%と、過去最低を更新しました。
続いて、「働きたい職場」という質問では、「お互いを助け合う」「アットホーム」「お互いに個性を尊重する」という3項目が直近3年間、不動のトップ3としてランクイン。逆に「活気がある」「皆が1つの目標を共有している」「お互いに鍛え合う」の3項目は回答率が下がり続け、いずれも過去最低となりました。
「働きたい職場」の集計結果
「仕事・職場生活をするうえでの不安」という質問では、上位4項目の顔ぶれは変わっていないものの、その中の「自分が成長できるか」が10年前との比較で3.1ポイント減の32.9%で過去最低に。逆に「やりたい仕事ができるか」は同じ期間の比較で3.8ポイント増の17.8%と、過去最高となりました。
「仕事・職場生活をするうえでの不安」の集計結果
これらの結果から浮かび上がる2019年の新入社員の傾向は、「マナーよりも、仕事の成果に直接つながるスキルや知識を身につけることを重視」「鍛え合う“集団”よりも、“個性”を尊重しながらの助け合いを求める」「希望の仕事ができるかの関心は高い一方、仕事を通じた成長欲求は下がっている」というものです。