はじめに
差別化要素は「食を通じたコミュニケーション」
――先行事例はあるのでしょうか。
食のシェアリングサービスが最も普及しているのは、実は中国です。代表的なのが「HomeCook(回家吃飯)」という家庭料理をシェアするサービスで、とても人気が高いと聞いています。しかしその他の地域では、食のシェアリング分野で成功している事例は多くありません。
アメリカでは、ミールキット大手の「ブルーエプロン」が代表的。ただ、最近は大手のスーパーマーケットがミールキット会社を買収するなど、参入が多くなり、苦戦しているようです。
日本では、料理の負担を軽減するという意味では多くのミールキットがありますし、スーパーではお惣菜も選べます。時短という意味での食のサービスに困ることはないのではないかと思います。
同社の作り置き料理の一例
でも、バラエティ豊かな家庭料理が独自の発展を遂げてきた日本においては、料理を楽しむだけでなく、親子や家族の食を通じたコミュニケーションを楽しむという文化的特徴があります。シェアダインではそういうものを大切にしていきます。
――サービスにはどんな思いを込めていますか。
単に誰かの代わりに料理を作る、レシピを伝えるということではなく、「誰かがあなたのためを思って作ってくれる」という家庭の食卓ならではの思いを込めたサービスにしたいと思っています。
そのためには、共同代表となった飯田と私だけではなく、家族、仲間、応援してくれる人たちの協力があります。日々の生活を少しでも豊かにしたいという思いもあります。
なにより、子どもや家族と過ごす食事の時間を大切にしたいと強く願っています。さまざまな協力や信念とともに、未来の食を作るという挑戦をしていきたいです。
次回からは、2児の母でもある井出さんに、仕事と家庭をうまく回すためのマネジメント術について執筆してもらいます。次回テーマは、生活を一緒に支える夫を「家事育児に協力的にする方法」です。