はじめに

夫婦共通口座を作って、お金の流れを「見える化」する

では、具体的に家計管理をどうしたらよいのかですが、お金の流れが一番わかりやすいのが、夫婦の収入を全額共通のお財布に入れ、そこから固定費や生活費を支払う「共通財布型」の方法です。貯蓄やお小遣いもすべて共通財布から割り振ります。毎月のお金の流れも貯蓄も見える化されているので無駄がなく、お金が貯まりやすい傾向にあります。

また、家計が一元化されているので家計管理も簡単です。ただし、この方法は、今までよりも自由に使えるお金が少なくなり、不満を感じやすいというデメリットもあります。

貯蓄の状況を定期的に確認することができるのであれば、自由度を増やすために、固定費や生活費だけを共通財布に入れて、お小遣いと貯蓄は各自で管理するという方法もあります。また、共通口座への入金の金額は、例えば、夫の手取り収入が30万円、妻が20万円という場合、3:2の割合で出すなど、2人の収入に応じて決めると平等感があってよいと思いますが、ご相談者さんの場合は、収入が同程度のようなので、どう分担したらお互い納得できるのかよく話し合いましょう。

貯蓄は目的別に、使用時期に応じて貯め方も変えて

貯蓄についてですが、すでにご相談者さんは貯蓄をされているようなので、旦那さんと話し合った上で、貯蓄は各自で管理してもよいでしょう。貯蓄をする際は、住宅資金のために貯めるのか、老後資金のために貯めるのか、貯蓄をする目的を明確にし、夫婦のうちどちらがどれくらい担当するのかも明確にしましょう。

貯める目的が決まったら、いつまでに貯めたいのか時期や金額も明確にしましょう。というのも、貯めたお金をいつ使うかによって、選択する金融商品が違ってくるからです。

例えば、近い将来、住宅購入を考えているとのことですが、マイホームの頭金など、5年以内に使い道が決まっているお金は使うまでに時間はありますが、使う時に元本が割れていると困りますから、普通預金よりも少し利回りがよく、安全性が高い定期預金や国債などへ預けるとよいでしょう。住宅購入についても、具体的な時期や物件価格、頭金などを夫婦で明確にできると、今からどれくらいの金額を貯めていけば良いのかが明確になり良いですね。

さらに、老後資金など、10年以上先の将来のためのお金は、使うまでに時間の余裕があるので、元本が割れる可能性もあるけれど、大きく増える可能性もある投資信託(つみたてNISAなど)や確定拠出年金などに預けるとよいでしょう。

「生活費用口座」とは別に「貯蓄用口座」を分けておくことで、いくら貯まっているのか見える化することができます。貯蓄用口座を分けておくことで、毎月貯蓄額が目に見えて増えていくことを確認できるので、お金が貯まっていることを実感でき、モチベーションを維持できるでしょう。1ヵ月に1回はお互いの貯蓄状況を見える化すると良いですね。

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